2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K22798
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 彰子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (90348144)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ロスマリン酸 / 腸管 / 体内分布 / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
経口摂取したロスマリン酸(RA)の体内分布を明らかにするために必要な検出感度の高い LC-MS/MSメソッドを立ち上げた。RAは体内で代謝を受け、caffeic acid、3,4-dihydroxycinnamic acid, ferulic acid, m-hydroxycinnamic acid、m-hydroxyphenylpropionic acid、メチル化RA(RAメチル)が生成することが報告されている。従って、1回の分析でRAおよび代謝物6成分が同時に定量できる分析メソッドを構築した。構築した分析メソッドを用いて、C57BL/6JにRAあるいはRAメチルを単回投与した後の各臓器中の7成分を定量した。すでに血漿、脳、および腸管サンプルの定量を終えた。定量結果からRAとRAメチルは、体内での代謝および体内分布が異なることが示唆された。 腸管におけるRAの局在性については、RA投与後の腸管切片を作製し、イメージング質量分析により検出した。今年度はイメージング質量分析における、イオン化マトリックスの検討を含めた分析系の確立を行い、実際の腸管サンプルの解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体内のRAおよびその代謝物の定量のための好感度分析系を立ち上げ、実際に投与したマウス臓器の測定を実施できた。また、イメージング質量分析を用いたRA分析系を確立し、予備実験ではあるが、分析も実施することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
体内分布の解析については、分析の終わっていないサンプルについて順次分析を進める。また今年度は単回投与のみの検討であったが、今後長期飼育を実施し、体内分布のデータを取得し単回投与と比較する予定である。 腸管におけるRAの局在性の検討については、イメージング質量分析と顕微鏡を組み合わせることでさらに詳細な局在性を探る予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大のため学会が中止となり、3月から実験ができなくなったため。
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Research Products
(2 results)