2022 Fiscal Year Annual Research Report
片麻痺患者の起立動作の回復過程を計測する手すりの開発
Project/Area Number |
19K22799
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安 ち 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70747873)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺間 一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50184156)
宮井 一郎 社会医療法人大道会(神経リハビリテーション研究部), 神経リハビリテーション研究部, 部長 (60510477)
服部 憲明 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70513141)
下田 真吾 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, ユニットリーダー (20415186)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 起立動作 / 診断システム / 手すり / 運動機能障害 / 片麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では運動障害を抱える人が起立動作を行う際に、福祉用具である手すりに大きな力をかけて低下した運動機能を代償するように起立を行うと仮説を立て、手すりにかかる力から運動機能を推定する診断システムの開発を目指している。 2022年度では臨床現場において医師や療法士のみでも操作ができるような簡便な診断システムの作成を行った。ここではタッチパネルから操作を行うことが可能で、被験者情報もICカードにて管理を行うことで、研究者らが現場に行かなくても計測を行うことができるようにシステムの改良を行い、実際に現在は医療機関にて同一の被験者に対して週に数回ずつというペースで経時的な計測を安定的に実現している。 また低下した運動機能を高精度に診断するために、本研究では新たに臀部や足部の力情報を活用することを検討し、手すりにかかる力に加えて足部や臀部にかかる力を新たにシステムに記録するようにした。その結果として手すりのみを使用した際の正解率は60%であったのに対して、手すりの力に加えて足部や臀部の反力を利用した際には80%を超えることが分かった。 またこのように身体にかかる力をすべて計測することで、起立動作中の身体重心の変化が推定できる。同一被験者に対して異なる計測日での手すりや臀部、足部にかかる力情報の変化を提示するだけではなく、重心軌道の変化を示すことで、診断システムの使用者本人だけではなく、医師や療法士などの医療を提供する人たちにとっても直観的に変化が分かるようになるインターフェースの開発を行った。
|