2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of hydrogen sulfide prevents mechanical ventilation-induced diaphragm atrophy and dysfunction
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19K22819
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20722888)
棗 寿喜 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 非常勤助教 (90761841)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / 横隔膜 / ミトコンドリア / 機械的人工換気 / 硫化物 / ミトコンドリア酸素消費速度 / ミトコンドリアROS産生速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ミトコンドリアの硫黄呼吸経路に着目し,硫化物による横隔膜萎縮・機能不全の予防メカニズムを明らかにすることを目的とするものである.主な呼吸筋である横隔膜は,人工呼吸器の装着(MV)などにより自発的な収縮を軽減すると12時間で20%程度も萎縮し機能不全を呈する.我々は,硫化物の投与により横隔膜萎縮および機能不全を予防することが可能であることを発見したが,本研究課題ではそのメカニズムの解明を目指す. 当該年度では,前年度採取したサンプル(4群,投与条件(生理食塩水/硫化物)×MV条件(12時間MVなし/あり))の分析作業を行った.横隔膜の新鮮凍結サンプルを薄切し,免疫組織化学分析法による筋線維組成の同定および筋萎縮の評価を行った.また,横隔膜を凍結粉砕し,免疫ブロット法によるタンパク質発現解析を行った.さらに,前年度入手した横隔膜機能評価,ミトコンドリア機能評価,活性酸素種産生評価の解析作業を行った. 先行研究と同様に,生理食塩水投与+MV群ではMV誘導性の筋線維の萎縮が見られたが,硫化物投与+MV群では筋線維の太さが保たれていた.これは,横隔膜機能評価の結果と一致するものであり,硫化物の投与により横隔膜の機能と形態が保護されることが示された.ミトコンドリア機能評価(酸素消費速度)では,ComplexIにおいて顕著な差が見られ,硫化物の投与によりミトコンドリア機能が保たれたことが示唆された.さらに,硫化物の投与により,MV誘導性の活性酸素の産生が抑えられたことが示唆され,活性酸素の抑制が硫化物が持つ横隔膜保護効果の一つの要因であることが示された.
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