2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K22839
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 博樹 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (60610649)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | センサネットワーク / DTN / サウンドスケープ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「動物装着型マイク網による高線量空間可視化」を目的とする。福島原発事故により放出された放射性物質が野生動物に及ぼす影響調査を遠隔から安全に実現するシステムが求められている。 A) 生態相互作用と融合した省電力型な動物装着型マイク・ネットワーク機構、B) 重度被曝した動物の健康状況の変化を鳴き声情報の可視化から明らかにする機構、を高線量空間(帰還困難区域内)に実際に構築して有効性を評価することで目的を実現する。 A)本機構では、動物同士の接触時(すれ違い)に着目し動物同士が接近した際に生じる習性行動の特徴量を3軸加速度センサーで解析し、通信機器のWakeの引き金として動物装着センサ間の間欠通信を実現する。前年度は新型コロナウイルスにかかる社会情勢と制限により動物を用いた実験やフィールド作業を行うことができなかった。そこで、別研究で開発した移動型ロボットによる動物実験の代替スキームを用いた実験計画に変更して実施した。 B)本機構では、時間単位および日単位の細かく分類されたパターン予測のために、CNN-BiLSTM-VAE-ATTをベースにしたモデルを開発した。このモデルは長期的および短期的な依存関係を横断的に捉え、個々のパターンのランダム性、多様性、不確実性を考慮した。提案されたモデルは他のベースラインよりも精度が高く、多様性を示した。そしてこのモデルはデータセットに存在する時間依存性の説明につながる。また、この研究成果を用いて海外研究者との共同研究を行った。結果、ネパール国内の野生動物調査として現場に活用できることが判明し、基礎的な知見を国際会議で発表した。
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