2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K22841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 和久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60294162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 慧 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (00758716)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | アルゴリズム論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,局所的な離散構造を利用することで,効率的なアルゴリズム設計のための基 礎理論の構築を目指す.具体的には,離散的な構造解析手法に基づく,(1)局所解改善 の方法論,(2)局所解の列挙手法の研究を行う. 本年度の研究においては、主に(2)に重点を置き、研究を遂行した.具体的な成果としては,1.節の充足パターン列挙,2.多面体の端点列挙があげられる。 1.は論理積和形の充足可能性を考えるSAT問題の一般化である,節の充足パターンを求める未解決問題,特に,節長の上限がある場合に対して,逐次多項式時間アルゴリズムの開発に成功した.また、極大節パターンの列挙は計算労的に難しいが,極小節パターン列挙は多項式時間遅延で可能であることも示した。2.は計算機科学分野における有名な未解決問題であるが、多面体を表現する不等式に現れる行列が完全単模に関連する場合に,その多面体の端点列挙が逐次多項式時間で計算可能であることを示した。(1)と(2)ともに,解の局所的な構造を利用することで、アルゴリズム開発に成功した。 また、それ以外にも多数決回路を多数決回路の多数決として記述するときの表現の大きさなどについての成果も出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
局所的な解の構造を利用することで、節の充足パターンを求めるという未解決問題を解くことに成功しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は局所的な解の構造を考察することによる列挙的なアルゴリズムの開発に成功した。今後は最適化問題など、列挙的な問題でない問題へのアルゴリズム手法やその解析法を構築する計画である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で昨年度計画していた。国際会議発表や国内の研究打ち合わせができなかった。 今年度はそれらを積極的に行う計画である。
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Research Products
(10 results)