2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K22841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 和久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60294162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 慧 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00758716)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,局所的な離散構造を利用することで,効率的なアルゴリズム設計のための基礎理論の構築を目指す.具体的には,離散的な構造解析手法に基づく,(1)局所解改善 の方法論,(2)局所解の列挙手法の研究を行う.本年度の研究においては、上記の視点を利用することで以下の6つの成果を得たが、以下では3点に絞り記述する。 1.制約充足問題に対するアルゴリズムにおいて,一部の変数のみへの割当を考える局所的なアルゴリズムは重要な位置を占めており,そのようなアルゴリズムで解くことのできる部分クラスと普遍代数学的性質の関係性が知られていた.本研究では,そのような普遍代数学的性質の圏論的な抽象化を行い,これにより,局所的なアルゴリズムが適用できる問題の範囲を拡張した. また,2.遷移問題,すなわち,与えられた二つの解に対して解であることを保ったまま片方の解に局所的な変換を繰り返すことでもう片方の解に辿り着けるかを問う問題を扱った.どのような局所的な変換が解であることを保つかを精査することにより,整数計画問題の重要な部分クラスに対する先行研究のアルゴリズムの拡張を行った. 最後に,3.マルチエージェント経路探索は,ネットワークおよびそれぞれのエージェントの初期点と目標点が与えられた際に,すべてのエージェントが目標点に到達するまでの道のりにおいて,衝突が一度も発生しないような経路を求める問題である.それぞれのエージェントが自由に移動した際に生じる衝突を局所的な制約とみなすという先行研究のアルゴリズムを拡張し,数値実験によりその有効性を確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で移動ができず、円滑な研究推進が難しい状況ではあったが、上述のように、(1)局所解改善 の方法論,(2)局所解の列挙手法を利用することで、様々な問題に対して着実に研究成果を出している.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で移動制限のために、ここ数年できていなかった、出張などを伴う研究打ち合わせ、また、海外などの学会での発表などを積極的に行う計画である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で、さまざまな研究活動、特に、出張ができなかったため
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Research Products
(11 results)