2019 Fiscal Year Research-status Report
Proof of concept of bottom-up IoT with energy-harvesting micro-nodes
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19K22844
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳田 崇 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (50314539)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | IoT / エナジーハーベスティング / 光電力伝送 / CMOS / センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、『ボトムアップ型IoT=すべてのモノの情報化』につながる基礎実証を目的としている。2019年度は、代表者がこれまでに実現した『1mm角でCMOSチップを動作可能な光エナジーハーベスティング技術』をもとに、環境光で動作させるための各種の検討・改善を行った。具体的には以下を実施した。 ①高効率光発電のための専用光起電力セルチップの開発:先行研究ではCMOS集積回路プロセスで実現可能なN-Well/P-Sub構造を光起電力セルとして利用していた。本プロジェクトでは光源からの照射光を利用する先行研究とは異なり、環境光からエネルギーを取り出すことを想定しており、発電効率の面からはドーピングプロファイルを最適化した専用チップに移行することが必要であると考えた。そこで専用の光起電力チップの開発を行った。効率は向上するとはいえ、Siのセルである以上出力電圧は0.5-0.7Vとなるため直列化が必要である。本研究ではDRIEを含めてのプロセス開発を開始した。2020年3月時点で基本構造の試作に成功した。 ②低リーク電流電圧モニタ・スイッチング回路の設計・試作:環境光動作を実現するためにもう一つ重要な技術革新は、制御回路の定常的な漏れ電流を抑止することである。先行研究ではわずかではあるが一定の電流を常時必要とする回路構成となっていた。本研究ではCMOS制御回路のうち、電圧判定回路およびバイアス回路を根本的に見直し、低リーク電流を実現した。チップの試作は2019年度に完了しており、2020年度に評価を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、本プロジェクトの研究課題のうち最も重要な『超小型光エナジーハーベスティングプラットフォームの実現』について重要な検討を進め、実現のめどを得ることができた。2019年度に所属機関移動があり実験系の再構築には時間を要したが、実験設備への依存度が低い研究課題を中心に進めることで計画からの遅れはない。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に基本構造を実現した光起電力チップについて、さらに設計改善と試作を行うとともに、低リーク電流型スイッチ回路を組み合わせて、環境光駆動型光エナジーハーベスティングシステムとしての基本機能を実現する。 並行して高度化のための非同期パルス動作、低電力パケット動作型ロジック、デバイスパッケージングの3つの個別研究課題への取り組みを開始する。
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Causes of Carryover |
年度末のコロナウィルス感染拡大により、物品の調達の遅れが生じたため。 令和2年度においては、研究成果を上げることを最優先としながら、コロナウィルス感染拡大の影響を抑制するべく研究計画を調整して執行する。
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