2020 Fiscal Year Research-status Report
Multimedia Forensics for Classification of Fake Content
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19K22846
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
栗林 稔 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50346235)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 畳み込みニューラルネットワーク / 改ざん検知 / 敵対的事例 / ノイズ除去フィルタ / 真偽判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェイクコンテンツを識別するための手法を複数提案し,その有用性を数量的に評価した.ノイズを加えることで画像識別器が誤判定するように生成された敵対的事例と,カメラデバイスによって撮影,録画されたコンテンツを一部加工,編集したり,複数のコンテンツの切り貼りにより作成されたフェイクコンテンツを対象として研究を進めてきた. 深層学習技術を用いた画像識別器を誤らせるために作成される敵対的事例の問題においては,ノイズ除去フィルタに対する応答特性に注目し,高い精度で敵対的事例を検出するための手法を提案した.シミュレーションの結果より,既存の各種の敵対的攻撃に対して,90%以上の高い精度で検出できることを確認した. 加工,編集の有無を調べる手法においては,撮影機器における光学的な部品やセンサデバイスの違いによって生じるハードウェア起因の歪みを解析するためのプログラムを作成し,複数のカメラデバイスによって撮影および再撮された動画における痕跡の解析を試みた.高価で高性能なデバイスにより正当なコンテンツが作成される一方で,再撮などにより作成される不正コンテンツは廉価なデバイスが使用されることを前提にするならば,提案した手法によって90%を超える精度で識別できることが確認された.また,非可逆圧縮の処理によって生じるソフトウェア起因の歪みを解析する手法においては,切り貼りにより作成されたフェイクコンテンツの改ざん箇所の特定を試みた.通常は録画して保存する際に圧縮操作されるコンテンツに対して,加工や編集がなされた後に再度圧縮される改ざん後のコンテンツは圧縮処理により生じる歪みに特徴が現れる.この特徴解析をするための識別器を提案し,局所的に解析可能な領域サイズを小さくできるように調整を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フェイクコンテンツとして,ノイズを加えることで画像識別器が誤判定するように生成された敵対的事例の検出においては,前年度に提案した手法を拡張させて,ノイズ除去フィルタの強度を変更することで画像識別器の出力が特徴的に変化する点に注目し,その真偽判定を行うための手法を考案することができた.特に真偽判定のための二値分類器をニューラルネットワークを用いて構築し,攻撃手法に応じて学習させることで高い精度を得られるように改良することができた. ディスプレイをカメラで再撮することで作成されるコンテンツや,複数のコンテンツの切り貼りにより作成されるコンテンツまで対象を広げて,フェイクコンテンツの識別のための手法を複数提案し,実装評価を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ディープフェイクと呼ばれる深層学習技術を用いて作成されたフェイクコンテンツに対象を広げて,正常なコンテンツであるか否かを判定する手法の開発を行っていく.社会的に強い影響力を持っている人物の発言を収録している動画をフェイクコンテンツとして作成された場合に,ウソの情報発信によって意図的な世論誘導がなされる可能性がある.情報処理技術によって,コンテンツの加工,編集の可否を数量的に示すことを目指して,これまで提案して実装してきた手法をうまく活用もしくは拡張させた解析システムを構築していく予定である. 深層学習技術の弱点として問題視されている敵対的事例に対して,画像識別器に入力する前の前処理フィルタの役割りとして機能する分類器の精度を高め,その処理の高速化を進めていく.攻撃者の観点からは,その分類器が誤った判定を下すように攻撃を修正したり,分類器の処理に応じて攻撃を調整するなど対策を施すことが考えられる.この点において,分類器を学習させる段階で用いるデータセットの違いや,アンサンブル学習などの手法を用いることで,上記のような対策が困難となる手法を構築していく予定である.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で学会での発表がすべてオンラインとなり,計上していた旅費が不要となった.その分を非常勤研究員雇用に一部活用したが,少し余る形となった
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Research Products
(15 results)