2019 Fiscal Year Research-status Report
誤り訂正符号と多値論理関数との離散フーリエ変換による関係性解明
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19K22850
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
松井 一 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80329854)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 準巡回符号 / DNA符号 / 巡回符号 / 可逆符号 / 離散Fourier変換 / 畳み込み定理 / 多値論理関数 / 有限体 |
Outline of Annual Research Achievements |
q^L元有限体上の符号長nの巡回符号に対し,符号語の有限体要素を展開することにより,q元有限体上の符号長nLの準巡回符号が生成されることが知られている.本研究では,この巡回符号の展開から生じる準巡回符号のある種の性質について調べた.巡回符号Cの生成多項式が与えられた場合,Cの展開によって得られる準巡回符号Qの生成多項式行列の明示式を示した.また,生成多項式行列Gから定まる準巡回符号Qについて,Qがある巡回符号の展開によって得られるためのGの必要十分条件を求めた.応用として,巡回符号の展開によって得られる準巡回符号の可逆性について調べた.ここで言う可逆性とは,符号語の左右反転がまた符号語となる性質のことであり,DNA記録で用いられるDNA符号には可逆性が用いられることが知られている.具体的には,巡回符号の展開によって得られる準巡回符号が可逆であるための巡回符号のスペクトラムについての必要十分条件を求めた.(IEEE Access 2019)
ある種の生成多項式行列Gから定まる準巡回符号および一般化準巡回符号のいくつかの特性を調べた.Gが対角行列であるとき,Gから定まる一般化準巡回符号が可逆あるいは自己双対であるための必要十分条件を示した.また,Gが対角行列であるとき,Gから定まる準巡回符号Qについて,Qがあるq^L元有限体上の巡回符号の展開によって得られるためのGの必要十分条件は,巡回符号の生成多項式g(x)の係数がq元有限体に含まれかつGの対角成分がすべてg(x)であることを示した.さらに,Gが対角行列とは限らない2次正方行列の時,準巡回符号が可逆であるための必要十分条件を求めた.(SITA2019)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しており,特に問題は生じていない.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り研究を遂行する.
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Causes of Carryover |
(理由) 適当な計算機がなく購入を必要最低限度にしたため,および研究代表者が国際学会で発表しなかったためである. (使用計画) 計画的に計算機を購入し,また国際学会で発表する.
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