2020 Fiscal Year Research-status Report
誤り訂正符号と多値論理関数との離散フーリエ変換による関係性解明
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19K22850
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
松井 一 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80329854)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 準巡回符号 / 自己双対符号 / 自己直交符号 / 巡回符号 / 可逆符号 / 有限体 / 中国剰余定理 / 最小重み |
Outline of Annual Research Achievements |
(ComEX2020)符号長nのq^l元有限体上の巡回符号Cを展開することによって生成される,符号長nlのq元有限体上のQC符号Qに対する可逆性の問題,つまりQがその左右反転した符号と一致するかどうかを調べた.Qが可逆となるためのCの生成多項式の必要十分条件を示した.計算機探索により,巡回符号を展開することによって生成されるいくつかの優れた可逆QC符号を見つけることができた.
(IEEE Access 2020)準巡回(QC)符号,特に2×2生成多項式行列を持つクラスについて研究を行い,可逆符号,自己直交符号,および自己双対符号の生成多項式行列を決定した.このクラスの誤り訂正符号の中には,Varshamov-Gilbert限界式に達する優れた2元符号が多数含まれることが知られている.このクラスの可逆符号が自己直交符号となる生成多項式行列の必要十分条件を示した.また,このクラスの可逆符号が自己双対となる必要十分条件(Cor.3)と自己双対符号が可逆となる必要十分条件(Cor.4)が同じであることを示した.2×2生成多項式行列を持つ自己直交である可逆QC符号は標数によらず常に存在するが,自己双対である可逆QC符号は標数2の時にのみ存在することを示した.本研究の結果を利用した計算機探索によって,最小距離の線形符号としての上限を達成する2×2生成多項式行列を持つ自己双対である様々な可逆QC符号を発見することができた.
(ISITA2020)最小距離が大きい2元自己双対QC符号に対し生成多項式行列を用いて探索を行った.自己双対符号であるための生成多項式行列の条件,および因数分解と中国剰余定理を組み合わせることにより,これらの符号を効率的に構成した.さらに,特定の条件下では,相反多項式の方法を使用して,それらをさらに効率化した.サイクル長が5,7,9の自己双対QC符号を作成し,各条件で最小距離が最大のものを見つけた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しており,特に問題は生じていない.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り研究を遂行する. また研究期間の最終年度であるため,研究成果を論文化する. 具体的には,学習のゼータ関数に実数体上の論理多項式を応用してベイズ推定を行った結果については,まだ学会発表のみであるため,理論的に完成させ研究期間内の論文発表を目指す.また,準巡回符号の生成多項式行列に対し中国剰余定理を応用した結果については,法多項式の素因子が相反多項式でないケースについてはやはりまだ学会発表のみであるため,国際学会ISITA2020の原稿を完成させる形での論文発表を行う. 次の研究に向けての方向性として,SATソルバーやZDDの応用等を現在調査中であり継続する.
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Causes of Carryover |
(理由) 国際学会および国内学会ともにオンライン開催となり旅費が発生しなかったためである. (使用計画) 計算機の保守および更新費用に充てて研究推進に役立てる.
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