2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on the fusion of informatics and political science using location based big data to achieve multicultural symbiotic societies
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19K22852
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
水野 貴之 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (50467057)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 計算社会科学 / 経済物理学 / 複雑ネットワーク科学 / グローバリゼーション / ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
民族等に起因するグローバルなコミュニティ間の排他的問題に関する「情報学と国際政治学との融合研究」を創出する.世界経済に存在するコミュニティが,グローバル化により,従来の国・地域単位から,国を跨いだ思想や民族単位に変容している.このコミュニティを的確に捕捉するために,人々のミクロな繋がりに関するビッグデータを利用する.グローバルな人々の流れの視点から,情報学のビッグデータ解析技術を国際政治学に導入することで,(1)「実空間で民族が複雑に絡み合う」ような巨大で複雑な社会構造を見える化し,(2)孤立コミュニティを検出,(3)多文化共生社会を実現するために必要な社会ネットワークの是正箇所を指摘する「情報学と政治学の分野融合」を創出する.2019年度は,(1)について,社会のコミュニティ構造とそのコミュニティの社会属性を見える化するために,データの整備と社会属性を推計する技術を開発した.具体的には,位置情報や苗字からの社会属性の推定である. 位置情報からの社会属性の推定に関しては,東京・広島・宮城・長崎の5000人に社会属性と施設の利用頻度に関するアンケート調査を実施し,利用頻度から社会属性を推定するアルゴリズムを開発した.これにより,人々の移動に関するGPS履歴から施設の利用を観測し,それらの人々の社会属性を推定することが可能になった. 苗字からの社会属性の推定に関しては,全世界の大株主の苗字と国籍とのデータを利用した.さらに,各国で民族と苗字に関するアンケート調査を実施した.これらのデータをRNNで学習し,苗字から民族を推定するモデルを構築した.そして,各業界の名簿データを用いて民族分布等を推定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は3月に国内学会及び国際会議にて研究成果発表と情報収集を予定していたが,COVID-19の世界的な感染流行により,該当学会と国際会議が中止となった.更に,位置情報データの整備を予定していたが,テレワーク等による影響で購入契約に時間を要し,翌年度に繰り越すこととなった.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)の社会構造の見える化では,各国の人流ビグデータの整備を進める.また,社会属性の推定精度を高める.(2)コミュニティの分断の動的な変化を,香港での中国化と脱中国化の事例を調べることでリアルタイムにとらえる技術を構築する.(3)多文化共生社会を実現するために必要な社会ネットワークの是正箇所を指摘する「情報学と政治学の分野融合」の創出では,国際政治学や社会学の研究者と連携し,データから多文化共生政策の効果をリアルタイムに測り,有効な政策を見つけていく.そして,政策当局が多文化共生政策を進める上で利用しやすい形にして発表する.
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染流行が発生し,研究成果を発表する国際会議及び国内学会が中止になった.また,購入予定の位置情報データについても購入契約に遅れが生じた.従って,2020年度後半に感染流行が落ち着き次第,国際会議及び国内学会で2019年度の研究成果を発表する.同様に,位置情報データについては6月に購入する.
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