2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the fusion of informatics and political science using location based big data to achieve multicultural symbiotic societies
Project/Area Number |
19K22852
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
水野 貴之 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (50467057)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 計算社会科学 / 経済物理学 / 複雑ネットワーク科学 / グローバリゼーション / ビッグデータ / COVID-19 / 人流 |
Outline of Annual Research Achievements |
民族等に起因するグローバルなコミュニティ間の排他的問題に関する「情報学と国際政治学との融合研究」を創出する。世界経済に存在するコミュニティが、グローバル化により、従来の国・地域単位から、国を跨いだ思想や民族単位に変容している。このコミュニティを的確に捕捉するために、人々のミクロな繋がりに関するビッグデータを利用する。グローバルな人々の流れの視点から、情報学のビッグデータ解析技術を国際政治学に導入することで、(1)「実空間で民族が複雑に絡み合う」ような巨大で複雑な社会構造を見える化し、(2)孤立コミュニティを検出、(3)多文化共生社会を実現するために必要な社会ネットワークの是正箇所を指摘する「情報学と政治学の分野融合」を創出している。 (1)については、位置情報や苗字から社会属性を推計する技術を開発した。個人情報を保護した上で人流データを高解像度化する手法を開発した.貿易ネットワークにおいて民族コミュニティの存在を発見し、定量化した。それぞれの属性の人々の移動軌跡を再現するモデルを、言語モデルを応用して構築した。これらの技術について、論文誌等で発表し解説した。 (2)については、コロナ禍の移動自粛による生活圏(コミュニティ)の変化について論文で発表すると同時に、全国各地の自粛状況について日々算出し、オープンデータ化した.新住民と旧住民など、住民の属性の違いにおける地域の空間的な分断を数値化する技術を開発した。 (3)については、空間的な分断を是正するために、様々な属性の住民が訪れる場所や施設を検出し、交流箇所として推薦するシステムを構築した。地域の各施設における訪問者の多様性から、その地域におけるコロナの新規感染者数を予測する機械学習モデルを構築し、感染者数と相関する施設の属性を明らかにした。企業において役員の民族の多様性が企業成長にプラスに働くことを発見した。
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