2019 Fiscal Year Research-status Report
微小面歪み検出のための面状走査型触覚センシングシステムの開発
Project/Area Number |
19K22856
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
望山 洋 筑波大学, システム情報系, 教授 (40303333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹囲 年延 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60517712)
武居 直行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (70324803)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ハプティクス / ソフトロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,与えられた曲面上にある微小面歪み(予定された曲率よりも大きく歪んでいる箇所)を検出し,その場所を特定する微小面歪み検出問題を解決するシステムを開発することである.この研究目的の達成のために,本研究では,雑巾がけのように,対象曲面を隈なく走査することで,微小面歪みを検出する,面状の走査型触覚センシングシステムに関する研究を行った.研究計画に記載した,3つの課題に取り組んだ.それぞれに対する研究成果は,下記の通りである. まず,第1の課題は,本研究の主課題である,「幅のある」面状走査型ソフト触覚センサの開発である.シリコーン柔軟シートをベースとした触覚センサのプロトタイプを製作した.このセンサには,走査方向に対して直交するように市販の長尺ひずみゲージが埋め込まれている.このプロトタイプを用いた実験により,触覚センサの基本性能を調査した.この調査により,検出されるべき微小面歪みの仕様と,触覚センサの感度との関係を明らかにした. 第2の課題は,検出すべき微小面歪みの位置特定のための触覚情報処理である.この課題に対し,長尺ひずみゲージをもう一つ使用することで,走査方向に直交する方向の位置特定が可能である方法を考案した.さらに,実験により,提案手法の実現可能性を確認した. 第3の課題は,触覚による微小面歪みセンシング理論の確立である.この課題に対しては,精巧な微小面歪みの触覚サンプルと,触覚センサのプロトタイプを製作し,これらを用いた実験により,モデルの検証を行う環境が整っている状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幅のある面状走査型ソフト触覚センサのプロトタイプを作成し、基本性能が明らかになっていること、走査方向に直交する方向の位置特定方法の実現可能性を確認していること、また、触覚による微小面歪みセンシングのモデル検証のための実験環境が整っていることから、研究はおおむね順調に進んでいる状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
実用的な観点からは,面状走査型ソフト触覚センサの感度を向上させる必要があり,センサ感度向上のための様々な方法を調査・検討する.また,微小面歪みの検出位置をわかりやすく提示する方法についても検討を行う.さらに,触覚による微小面歪みセンシングのモデルを確立し,理論検証を行う.
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Causes of Carryover |
昨年度、研究代表者がリサーチアシスタント費用50万円を見込んでいたが、任用予定が変更となり、繰り越しとなった。また、研究分担者(竹囲)が予定していた物品費・旅費が、大きく節約されたため、翌年度に繰り越すこととなった。なお、研究分担者(竹囲)が年度末に予定していた、研究代表者の研究室への出張はコロナウィルスの影響で、キャンセルとなった。今年度は、これら繰り越し分を、センサの高感度化に充てる予定である.
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Research Products
(4 results)