2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Intelligent Eyeglass System for Enhancing Microscopic Vision
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19K22873
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉元 俊輔 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (00646755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 聖 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40432596)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ロボットビジョン / 視覚拡張 / ユーザインタフェース / 誘電エラストマアクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,眼球の運動と注視対象に応じて制御可能なロボットビジョンシステムとその映像提示インタフェースを構築し,ミクロな対象の観察を支援する視覚拡張技術を確立することを目的とし,(a) 眼球運動の計測と注視の予測に関する技術,(b) 対象を追跡するロボットビジョンの制御に関する技術,(c) 映像提示に関する技術の開発に取り組んでいる. 本年度は(b)に関して,光学系のアクチュエーション方法に関する研究を実施した.特に,これまで固定条件で撮影を行っていたカメラの光軸をアクチュエータにより駆動し,ユーザの頭部および眼球の運動に応じた映像の取得が可能なシステムを構築することを想定し,その基礎検討を行った.軽量で小型なアクチュエータとして,誘電エラストマアクチュエータ(DEA)に着目し,四つの電極を備えたバルーン構造のDEAを新たに提案することによって,眼球運動を模した2自由度の動きを実現する方法を開発した.実験では,実装した直径24mmと40mmのアクチュエータを用いて駆動電圧と光軸の関係を調べた.その結果,電圧に応じて光軸の回転量が変化し,最大で10 deg程度の光軸回転量が得られることが明らかとなった.また,バルーンの空気量を増すことで線形性が高まること,異なるサイズのアクチュエータに応用可能であることなど,新たな知見が得られた.さらに,印加電圧と変形の関係のモデル化を行い,制御に向けた基礎特性を得ることができた.一方,絶縁破壊による耐久性が課題として生じたため,効果的な製作方法について引き続き探索する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究実施計画では,2019年度から2021年度の3年間で(a)注視の計測と予測,(b) ビジョンシステムの制御,(c) 視認性の高い映像提示に関する三つの項目を設定した.今年度は(b)に関してアクチュエーション方法の基礎検討を行い,新たな技術を培うことができた.次年度以降は,これまでに取り組んだ(a)および(b)の内容を踏まえて応用実験が可能であることから,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,肉眼で視認することが出来ない対象を扱うことが可能な光学系設計に取り組むことで,人の顕微視能を拡張する方法について探求する.その後,開発した知能眼鏡システムを用いて微小な対象物に対する視認性を評価し,提案システムの有効性を検証する予定である.
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