2019 Fiscal Year Research-status Report
個人適応学習を実現するセンサベースドエジュケーション
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19K22874
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
前 泰志 関西大学, システム理工学部, 教授 (50304027)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | センサベースドエジュケーション / 個人適応学習 / 学習の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習者の生理・行動・環境からなる学習場を計測し,学習の質向上のために学習者個人に適応して学習場をオンラインで最適化する教育・学習法であるセンサベースドエジュケーションを提案し,その学習システムの構成法を明らかにすることを目的とする.学習場のマルチモーダルな多次元時系列データの分析に基づき,統合的な「学習の質」を指標化する.これにより学習場の計測に基づきオンラインで「学習の質」を予測・評価し,時々刻々変化する学習場の状態に合わせて学習者個人に適応した行動の提案や環境制御で学習場を最適化する学習システムの構成法を明らかにする. 2019年度は,人を含む学習場を計測可能な実験学習環境の構築を計画していた.開発する非接触による生体計測手法を評価するために,ウェアラブル生体センサとして胸部に装着して,心拍や心拍変動を計測する心拍センサを用い,開発する非接触による心拍計測手法と比較することとした.人を含む学習場を計測可能な実験学習環境の構築するために,学習者は,パソコンの画面を見ているシーンを想定した.非接触センサによる生体計測として,パソコンの画面上部に設置したカメラを用いて正面の顔を検出し,検出された矩形の顔領域から肌色領域を抽出し,顔に属する肌色領域とした.抽出した顔の肌色領域の値の時間的な変化から脈拍の計測を試みた.また,赤外線カメラを用い,自動で人の顔領域の検出や顔の眉間部分の表面温度を計測する手法の開発を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は,十分な実験空間の確保が困難であったことから,人の学習状況の想定を基本的な状況に限定した実験環境の整備を行い,基本的な状況での手法の開発に注力した.引き続き実験空間を整備し,実験環境を構築していく必要があることから,やや遅れていると区分した.
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Strategy for Future Research Activity |
実験環境を構築するための実験空間を確保し,より多様な状況での学習状況を想定した実験環境の構築,手法の開発を行っていく.研究を加速するために,研究協力者を増やし,実験環境の構築ならびに手法の開発を行い,開発手法を複数の研究協力者で試しながら,研究を推進していく.具体的には,画像からの顔検出をベースに,非接触での脈拍,視線の計測を試みる.また,画像から学習者の姿勢や手の動きを計測し,学習動作と脈拍や視線との関連や,さらには脳波の計測も行い,種々の生理計測情報と行動計測情報と入力される解答の正答率との関連を調査していく.実験環境での計測データをもとに,学習者個人に適応した行動の提案や環境制御で学習場を最適化する学習システムの構成法を明らかにしていく方策である.
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Causes of Carryover |
実験環境を構築するための実験空間の十分な確保が困難であったことから,限定的ではあるが基本的な学習状況を想定して,手法開発を行った.次年度は,実験空間を整備し,より多様な状況での学習状況を想定した実験環境の構築,手法の開発を行い,研究を推進する.
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