2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of Physical Reservoir Consisting of Nano Material Network
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19K22877
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 恵 大阪大学, 工学研究科, 招へい准教授 (50437373)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / ポリ酸 / リザーバ計算 / ナノマテリアル / ダイナミクス / 多端子計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はナノ材料であるカーボンナノチューブ(CNT)とポリオキソメタレート(POM)分子によって構成される”CNT/POM分子ネットワークレザバー”を物理的に実現することにある。POM分子は多数の金属と酸素原子が結合した化合物であり、多価レドックス特性を持つ。この電子の蓄積と放出が、大きなダイナミクス応答をもたらすと期待される。動的変化 ”ダイナミクス” とは、外部からの摂動に対する応答が、非線形かつ時間依存を持ち、過去の自分の状態を反映した変化を指す。POM/CNTネットワークとしては様々な構造の超高密度ネットワークを形成することが可能である。本研究では以下の項目順に研究を進める。 1)CNT/POMネットワークを作製して入出力信号を取得し、レザバーとしての情報処理性能を解析する。2)モデル計算と実験プロセス両面から検討し、ネットワーク構造の最適化を進める。3)完成したCNT/分子ネットワークレザバー構造から多端子によって信号を同時取得し、”レザバー計算”を行う。 是迄にすでにこれら計画1)ー3)を全て完了している。但し、期待していた性能には未だ達していない。次の段階として材料としての調整や新規材料への探査を行なったところ、溶液材料にも同様の性能を発見している。今後さらなる材料からの改善を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
是迄にすでに研究計画1)ー3)を全て完了している。特に計測システムの作製と改良においては非常におおきな親展があり、現在約60端子の電流の同時計測を可能にしている。但し、リザバーとしての期待していた性能には未だ達していない。記憶容量や応答の再現性といった面では、応用利用を考えたとき未だ不十分である。ただ、非線形応答性に関しては非常に大きい性能を示すことが判った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで試してきたCNT/POM分子ネットワークレザバー,溶液レザバーに限らず、広い範囲の材料を開拓していく。またそれらの応答性に応じた計測器を開発する。
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Research Products
(6 results)