2020 Fiscal Year Research-status Report
An attempt of a babbling-dialogue-agent, depending on the "feeling" of a cultured living neural network.
Project/Area Number |
19K22883
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
工藤 卓 関西学院大学, 理工学部, 教授 (10344110)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ニューロロボット / 培養神経回路網 / 内部状態 / twitter / 感情極性 / 自発性神経電気活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生体の培養神経回路網を神経回路網の神経電気活動を感情ユニットとして利用し,スマートスピーカーと人との対話内容をコントロールする対話エージェントを確立すること目的としている.2年目は,神経電気活動パターンから,神経回路網の内部状態の定義をより詳細に行い,入力に対する神経の応答パターンをより定量的に分類する手法を探求した.具体的には,入力刺激直後の時間窓において,神経活動パターンを特徴ベクトルで表現し,これと神経活動パターンの典型例による感情テンプレートとの類似性をコサイン類似度を指標として解析した.自発性神経電気活動と誘発性神経電気活動が分離出来ている場合,刺激直後の時間窓におけるテンプレートパターンと刺激入力に応答して発現した活動パターンとのコサイン類似度は,それ以外の時間窓における類似度と比較して有意に高い傾向が観察された.この結果から,神経電気活動への入力の影響は刺激直後に大きく,感情テンプレートと神経回路網の内部状態とのコサイン類似度を指標として,エー ジェントの感情極性を表現可能であることが確認された.また,2 秒間隔刺激を連続的に印加することで,刺激電極 から離れた電極より取得した誘発性神経電気活動パターンが変動し,特に刺激直後 80 ms ま での発火数の減少が顕著であった.これらの結果から,刺激入力に関する情報はこの時間領域内に多く含まれていることが示唆された.更に,刺激間隔を短くすることで,培養神経回路網で「慣れ」のような現象が起こり,特定のパターンが抑制されることが示唆された.これらの特性を活用すると,エージェントの応答をさらに多様にすることが可能である.これらの結果について,現在,学術誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延による緊急事態宣言のため,培養神経回路網の維持が困難な期間があった.また,一時的に機器を停止した後に再起動したところ,故障する機器がいくつかあり,研究環境の修復にかなりの時間を要した.このため,生体神経回路網を組み込んだエージェントの応答について,これまで記録したデータの解析を中心に研究を進めた.既に音声の入出力装置をインターフェースとして培養神経回路網を中核とした半生体半人工の対話エージェントを実装に成功し,その応答特性を詳細に解析することを中心に進めた. 今年度は,神経回路網の内部状態の定義をより詳細に行い,入力に対する神経の応答パターンをより定量的に分類することが重点課題であったため,目標は概ね達成できたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
twitterなどの言語/文章ソースの選定や,共起的な発言単語検出手法を再考する.また,人間の側からさらに自然と感じられるインタラクションに必要な要素を整理し,これに必要な条件を明らかにするとともに,エージェントの反応を合わせて調整し,研究結果を統合して評価実験を行う.3年目は,人間とのインタラクションを中心的に行う.
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