2020 Fiscal Year Annual Research Report
An attempt estimating the urban-scale NO2 emission in a real-time basis
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19K22909
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 けんし 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (10303596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植山 雅仁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (60508373)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 二酸化窒素 / レーザー分光 / フラックス / 都市大気汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和二年度は,光源に450nmの発光ダイオードを用いた分光学的な手法に基づく二酸化窒素計測技術の開発を行った.光学的な計測手法が,公定法である化学発光法に比べて有利な点は,他物質からの化学干渉を避けることができる点にある.また,化学発光法のように化学反応を利用しないため,システムレスポンスを早くすることができる.光学セルのガスのフラッシュを考慮した実際上の応答速度は,空気の取り込み流量が8.7 L/minのとき3秒であった.本年度は,二酸化窒素計測装置の性能試験を京都府宇治市および大阪府堺市にて実施した.宇治市では,戸外の実大気をダイヤフラムポンプで取り込み,公定法である化学発光法を用いた窒素酸化物計測装置と,本研究提案である発光ダイオードを用いた比較同時測定を行った.両者の散乱図におけるデータの傾きが1.05となり,よく一致していることが示された.これを踏まえて,堺市では,ダイヤフラムポンプとテフロンチューブを用いてサンプリングした野外大気を二酸化窒素計測装置へ連続的にフローさせ,濃度の計測データをパソコンおよびアナログロガーに取り込んだ.環境省の大気汚染モニタリングシステム「そらまめくん」の観測データと比較したところ,日変動特性がよく一致していることが分かった.また,アナログロガーには三次元超音波風向風速計の測定データも取り込み,濃度変動との共分散を解析した.その結果,とりわけ昼間における明瞭な鉛直上向きのフラックス,すなわち,都市から排出された二酸化窒素が上空へと乱流輸送される様子をとらえることができた.今後,より精度の高いフラックスの計測を目指して,特に野外大気の採取流量やテフロンチューブの長さなどについて改良を加えていく必要がある.
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Research Products
(3 results)