2020 Fiscal Year Annual Research Report
殻なし孵化装置を用いた経時的連続観察による新規鳥類胚発生毒性評価法の開発
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19K22912
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| Research Institution | Ehime University |
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Principal Investigator |
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10271652)
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| Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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| Keywords | ニワトリ / 発生毒性 / 殻なし孵化装置 / 有機リン酸エステル系難燃剤 / 鳥類 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
リン酸トリス（2-クロロエチル）（TCEP）は、有機リン系難燃剤の一種であり、難燃剤として繊維製品・工業材料・家具等に使用されている。本研究では、ニワトリ有精卵を対照群、TCEP-低濃度（L）曝露群（50 nmol/g 卵）、TCEP-中濃度（M）曝露群（250 nmol/g 卵）、TCEP-高濃度（H）曝露群（500 nmol/g 卵）に分け、孵卵開始時に卵殻に穴を開けて被験物質を投与した。孵卵56時間後に卵の内容物を殻なし孵化装置に移した。ニワトリ胚の各毒性エンドポイントを孵卵3日目から9日目まで観察した。
昨年度までに胚の生存率・形態学的バイオメトリクス・心拍数、胚外血管長と枝数への影響を調査した。今年度は心臓試料を用いて次世代シーケンス（NGS）解析・バイオインフォマティクス解析をおこなった。TCEP処理により影響を受けた生物学的プロセスを予測するために、遺伝子オントロジー（GO）解析・転写因子エンリッチメント解析・ネットワーク解析・KEGGパスウェイ解析を実施した。さらにターゲットとなる遺伝子を精選し、より正確な発現レベルをリアルタイムPCRで定量化した。
GO解析により心筋収縮、心室心筋組織の形態形成、および筋芽細胞分化への影響を予測した。転写因子エンリッチメント解析では、TCEP曝露によるNGKB1・SP1・SP3・SMAD4・GLI1・CTNNB1の活性化が重要な分子開始イベントであると推定した。またネットワーク解析およびKEGGパスウェイ解析により、Ca2+シグナル伝達および筋原線維スライドに関連する遺伝子の調節不全が示唆された。リアルタイムPCRの結果、RYR2およびMYL3の遺伝子発現レベルが有意に低下する傾向が認められた。これらの遺伝子の発現変動がニワトリ胚で観察された心血管系毒性の原因である可能性がある。
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Research Products
(12 results)
