2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on the mechanism of structural and tensional memory of cells
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19K22944
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
長山 和亮 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10359763)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞バイオメカニクス / メカノバイオロジー / 細胞骨格 / 細胞核 / 恒常性 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管や骨などの生体組織は力学環境の変化に応じて「リモデリング」する.このリモデリングを支える細胞内要素として,アクチン細胞骨格が注目されてきた.研究代表者は,最近,アクチン細胞骨格には,一旦バラバラになっても自己の線維構造や配向,さらに発生する力も効率良く再現させる「構造と力の記憶」が備わる可能性に気付いた.このような個々の細胞骨格分子の記憶特性は,外乱に対する組織全体の恒常性を保つ基盤原理となっている可能性が高い.そこで本研究では,この考えを立証するために,アクチン細胞骨格に生化学的・物理的外乱を加え分解させた後,その分子構造や張力が再現する過程を詳しく調べた.そして,細胞の構造と力の記憶メカニズムを探るとともに,その生理的意義を明らかにすることを目的とした.今年度は,細胞の構造及び張力の変化について,特に細胞老化との関わりに着目し研究を展開した.ブタ胸大動脈由来平滑筋細胞を対象として,継代数が比較的少ない細胞と,継代を重ねて老化を進ませた細胞を準備し,その形態やアクチン細胞骨格の分布様態,細胞が発揮する張力ベクトルを解析した.また,顕微鏡下で個々のアクチン細胞骨格をレーザ切断する系を整え,レーザ切断時のアクチン細胞骨格の収縮挙動を詳しく分析した.継代数が進むことで細胞接着部位での張力は減少傾向が見られ,個々のアクチン細胞骨格の収縮能も顕著に低下することが明らかとなった.また,継代数が少ない細胞は仮足の形成頻度が高く,移動速度も速いが,老化が進むことで運動能が低下していくという重要な知見が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
個々のアクチンストレスファイバをレーザで切断する系を構築し,ファイバー分子レベルでの解析が可能になった.また,初年度の成果をまとめて複数の学術誌論文への発表を達成し,さらに現在2件投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
計画以上に順調に進行しており,実験計測系の確立も初年度でほぼ完了している.今後は特に,細胞及び細胞内のアクチンストレスファイバの再現機構の分子メカニズムに着目して研究を進める予定である.さらに,個々の細胞から細胞集団レベルでの形状・構造・張力の記憶特性の解明を進めていく.
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Research Products
(12 results)