2019 Fiscal Year Research-status Report
In vivo oxygen mapping based on lifetime imaging microscopy using phosphorescent molecule
Project/Area Number |
19K22947
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
吉原 利忠 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (10375561)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | りん光 / イリジウム錯体 / 寿命イメージング / 酸素 / 組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,(1)生きた小動物組織内の酸素濃度(分圧)分布をイメージングするために,酸素濃度に依存して発光が顕著に変化する‘りん光’を利用した酸素検知試薬(りん光プローブ)を,イリジウム錯体(Ir錯体)を用いて開発すること,(2)開発したIr錯体と共焦点りん光寿命イメージング顕微鏡(PLIM)を用いて,組織内(肝臓,腎臓,腫瘍など)の酸素濃度(分圧)を単一細胞レベルの分解能でリアルタイムイメージングすることである。 令和元年度は,培養細胞や組織切片内に分布するプローブ分子のりん光寿命の計測に加えて,小動物の臓器を寿命イメージングできる顕微鏡の開発を行った。新規に倒立顕微鏡を導入し,顕微鏡ステージにマウスを置くことのできる大型スライドガラスまたはカバーガラスを設置した。また,マウス直腸の温度を測定し,それをフィードバックさせることで,マウス体温を一定に保つシステムを取り付けた。さらに,励起光源として波長可変レーザーを用いることで,任意の波長の光(420-650nm)をプローブ分子に照射することができる。 開発した装置とりん光プローブ分子を用いて,マウス臓器(肝臓,腫瘍)の酸素分圧イメージングを実施した。特に肝臓では肝小葉を単一細胞レベルでイメージングすることができ,外側から中心静脈にかけて酸素分圧勾配があることを示した。また,担がんマウスの腫瘍組織をイメージングし,腫瘍新生血管からの距離に依存して酸素分圧が減少することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,(1)生きた小動物組織内の酸素濃度(分圧)分布をイメージングするために,酸素濃度に依存して発光が顕著に変化する‘りん光’を利用した酸素検知試薬(りん光プローブ)を,イリジウム錯体(Ir錯体)を用いて開発すること,(2)開発したIr錯体と共焦点りん光寿命イメージング顕微鏡(PLIM)を用いて,組織内(肝臓,腎臓,腫瘍など)の酸素濃度(分圧)を単一細胞レベルの分解能でリアルタイムイメージングすることである。 令和元年度は,主に小動物の臓器を寿命イメージングできる顕微鏡の開発を行った。また,開発した顕微鏡と既存のりん光プローブ分子を用いて,肝臓や腫瘍などの生体組織のりん光寿命イメージングを実施し,臓器内の酸素分圧が不均一であることを示した。 以上の結果は,令和元年度に達成すべき目標であることからおおむね順調に研究が遂行できたと考えている。現在,成果を投稿論文にまとめている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,組織細胞移行性の高いりん光プローブ分子を,イリジウム錯体を用いて開発する。また,健常マウスの臓器に加えて,病態モデルマウスを用いて臓器疾患と酸素分圧の関係を明らかにする。さらに,りん光寿命イメージングから絶対酸素分圧イメージング画像を構築するための校正曲線の作成を進める。イリジウム錯体のりん光は,温度,粘度,pH,内因性化合物によって影響を受ける可能性があるため,これらが及ぼす効果について定量化する方法論を検討する。
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Research Products
(4 results)