2019 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of anti-tumor immune response by cell-surface engineering and development of innovative proliferation method of tumor infiltrating T cells
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19K22951
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺村 裕治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10365421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (80273358)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫治療 / 細胞表面工学 / 腫瘍浸潤T細胞 / PEG脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん患者の腫瘍組織の中に存在している腫瘍浸潤T 細胞(Tumor InfiltratingLymphocyte: TIL)を、in vitro で活性化・増殖させた後、再び患者へ輸注するTIL 療法は、非常に強力ながん免疫治療である。しかしながら、悪性黒色腫では効率良くTIL の培養に成功するが、固形がんにおいては腫瘍組織内のTIL の数が少なく、さらに腫瘍内における免疫抑制性の環境のためTIL の培養・増殖が非常に困難であることが分かっている。本研究では、ポリエチレングリコール(PEG)脂質を利用した細胞表面工学技術を免疫制御技術へ応用し、がん細胞表面を加工して、がん細胞-T 細胞間相互作用における免疫抑制シグナルを制御する。特に、がん細胞が持つMHC クラスI 分子に提示されているがん抗原を特異的に認識するTIL を選択的に増殖させるために、細胞表面工学技術を活用してがん細胞を抗原提示細胞へと改変することで、固形がんのTIL を増殖させることを目指す。 そこで、我々はここで提案する増殖方法によりTIL を増殖させ、TIL 療法として展開し、最終的には、その腫瘍特異的T 細胞受容体(TCR)の遺伝子をクローニングして、得られた遺伝子をレトロウイルスベクターに組み込み、新たに患者の末梢血リンパ球に遺伝子導入することで、患者の腫瘍特異的T リンパ球を作製して治療に用いる(TCR-T 細胞治療)ことを目指している。PEG脂質を用いた細胞表面技術により、マウス悪性黒色腫細胞株B16(B16F10細胞)に対して、CD80-Fcをその表面に固定化することに成功した。その後、細胞傷害性 T 細胞 (CTL) との共培養により、CTLの増殖変化を調べたところ、本実験系では大きな変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は概ね計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞表面への固定化に関して、より厳密に行うことを計画している
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Causes of Carryover |
実験を遂行するにあたり、予想外の結果が出たために計画を再考したため。
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Research Products
(6 results)