2021 Fiscal Year Annual Research Report
第3生体窓の光で誘起する非線形光学効果を用いた深部高空間分解能光音響イメージング
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19K22961
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 真仁 大阪大学, 工学研究科, 特任准教授(常勤) (90648221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新岡 宏彦 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 特任准教授(常勤) (70552074)
山岡 禎久 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80405274)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 生体深部 / 光音響 / イメージング / 近赤外 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体の窓と呼ばれる生体透過性の高い近赤外波長の光を積極的に利用した光音響イメージング手法の開発と近赤外波長域の光を励起光として用いた場合の新規光音響プローブの探索である。光の波長が長波長になるほど生体中における光散乱の効率は低いため、従来より長波長の光を励起光として用いれば、光散乱に起因する集光スポットのボケ(劣化)を抑制できる。このため、従来より長波長かつ生体透過性の高い光を励起光として用いることで、高い空間分解能を維持したまま生体深部の観察を行うことが可能となると考えられる。本研究では、生体窓の波長域で高い光利用効率が得られる光学顕微鏡システム、およびトランスデューザ-を用いて音響波信号を検出し、サンプリング周波数1GHzの高速デジタイザーにより制御・解析用PCに取り込み、信号解析を行うシステムを開発した。開発した光音響波計測装置を用い、第1や2の生体窓などの近赤外波長域に吸収をもつ色素分子やイオンからの光音響波信号を計測したところ、近赤外色素やイッテルビウムなどの希土類イオンにおいて光音響信号を得ることに成功した。模擬試料を用いた実験を用いた実験も行い、開発した光音響顕微鏡システムと選定した近赤外プローブで光音響イメージングを行えることも確認した。さらに、イッテルビウムなどの希土類イオンにおいて光吸収の飽和時に高次非線形な光学応答が得られることも確認できており、深部光音響イメージングのさらなる高空間分解能化への応用展開が期待できる。
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