2021 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸アパタイトハニカムの微細構造制御による骨誘導能付与と骨再建
Project/Area Number |
19K22970
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 幸壱朗 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80580886)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | スキャフォールド / ハニカム / 組織再生 / 骨誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨外における骨形成能(骨誘導能)は大規模骨欠損の再建に有効であると考えられている。しかし、骨誘導メカニズムは未だ解明されていない。骨誘導メカニズムの解明に向けて、骨誘導を確実に引き起こす材料の開発と、その材料を筋肉内にインプラントした際に生じる細胞・組織応答の病理組織学的解析による解明に取り組んできた。本年度はn数を増やし、より信頼性のあるデータを得ることを試みた。ウサギ筋肉内にハニカム人工骨を埋植後、1、2、3、4、8、12週後に摘出し、細胞・組織応答の経時変化を解明した。組織切片のヘマトキシリン-エオシン(HE)、酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)、オステオカルシン(OC)、抗ラビットマクロファージ抗体(RAM-11)、マッソントリクローム(MT)、ヴィラヌエバ・ゴールドナー(VG)染色を行い、フィブリン、血管、破骨細胞、骨芽細胞、マクロファージ、コラーゲン、成熟骨、類骨等の変化から骨誘導メカニズムを組織学的に解明した。埋植後2週目まではフィブリンの濃縮が進行した。3週時点で劇的な組織学的変化がみられ、コラーゲンの生成、TRAP-positive細胞及びRAM-11-positive細胞の大量出現、材料を貫通する血管の形成が確認された。4週時点では、TRAP-positive細胞及びRAM-11-positive細胞の急激な減少、OC-positive細胞の出現、コラーゲンの増加が確認された。8週時点では、TRAP-positive細胞及びRAM-11-positive細胞のさらなる減少とOC-positive細胞の増加が確認された。12週目にハニカム内に石灰化骨の形成が確認された。また、これまでの報告では、材料内部から骨形成が進行するとの報告があるが、ハニカム人工骨の場合は、材料の端から内部に向かって細胞・組織応答が進行していることが確認された。
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