2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22973
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
西田 欣広 大分大学, 医学部, 准教授 (10336274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 俊勝 大分大学, 医学部, 教授 (10363350)
井上 尚実 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (90839234)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | ヒト受精卵 / メタボローム解析 / 質的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の背景】 ヒト受精胚の評価および選択は現在のところ形態学的な胚の形状で判断しているのが実情で、その判断基準も各施設に任せられているため、客観的な質的評価法の確立が求められている。これまで我々は受精胚そのものではなくその胚培養液に着目し、胚細胞の良否を培養液中の一次代謝産物を測定(メタボローム解析)することによって間接的に判断できる、非侵襲的な新しい評価法を確立させる(すなわち、より妊娠継続の可能性が高い受精胚の選択マーカーを提案する)ことを最終目標と考え、研究を計画している。 【研究概要】 これまで我々は、単一胚細胞培養後の50μl培養液中の超微量一次代謝産物検出を、GC-MS/MS法を応用した手法による測定条件を確立、可能とした(特許出願済)。この予備検討により、GC-MS/MS法による胚の質的判別が可能であることが示唆された。そこで良好胚選別の候補一次代謝産物を同定、新しい胚細胞の質的評価法を開発することを最終目的に研究を継続している。具体的には形態学的評価法であるGardner分類を用いて胚細胞評価を行い、3BCもしくは3CB以上の発育を認めたものを良好胚とし、各胚細胞の培養上清の一次代謝産物について主成分分析すると、形態学的に分別できる群ごとに判別可能であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに胚培養上清(約50μl)より当施設に設置しているGS-MS/MS8040を用いて微量一次代謝産物の同定が可能な条件設定に成功している。さらに主成分分析等、各種統計処理を行い、胚のグレード別に分別可能なことが証明された。現在、ここまでの研究結果はすでに論文に纏め、投稿準備中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、パイロット研究部分は終了し、まずは方法論で論文を作成中である。今後はこの手法を用いてさらに臨床経過(流産率、生児獲得率など)に反映できるか検証を進めていく予定。
|
Causes of Carryover |
実験にかかる費用が試薬の節約と手法の改善によりかなり節約ができた。また研究会、学会等の県外出張がコロナ感染症の問題で制限されたため旅費がかからなかったため。今年度はメタボローム解析に使う試薬の購入と昨年度、発表できなかった関連学会への参加に使用していく予定である。
|