2019 Fiscal Year Research-status Report
磁気弾性ゴムファイバーの創製および出力可変式持ち上げ補助スーツへの生体応用
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19K22981
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 英一郎 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (10369952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 丈雄 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 准教授 (50551529)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 持ち上げ動作補助 / 出力可変式 / 磁気弾性ゴムファイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,少子高齢化により,介助者や作業者不足が深刻化している.また,職業疾病の6割が腰痛とあり,ものを持ち上げる動作への負担を軽減するため,ゴムやばね,ガススプリングなどを用いたパッシブの持ち上げ動作時に腰を補助器具が各種開発されている.研究グループでも,持ち上げ動作中の腕と腰をゴムベルトにより同時に補助するスーツを提案している.しかし,そのゴムなどが強すぎると動作を抑制し,弱すぎると補助効果がない.また,持ち上げる対象の重量によっても適切な反力の強さが必要である.そこで,装着者の状況に応じて適宜ゴムの反力が非線形に得られる構造を提案しその検証実験を行った.しかしこの場合,強い補助力を得るためには適宜ベルト長の調整が必要である.そこで,硬さが変えられる磁気弾性ゴムファイバーの創製を行う.さらにこれを出力可変式持ち上げ補助スーツとして生体応用する.出力可変式持ち上げ補助スーツ補助スーツに応用可能なサイズおよびばね定数を得られるような磁気弾性ゴムファイバーの構造,製造方法,使用方法を検討した.鉄粉を混ぜたシリコーンを生成し,その生成物に磁力を加え,引っ張ったとき,鉄粉同士が磁石のように離れることを阻止するよう働くことを想定し,この状況を実現することが可能な実験装置を開発した.本実験装置を用いて,ばね定数変化やその変化状況が継続する引張量の長さが大きく得られる鉄粉とシリコーンの割合を,実験により確認することができた.しかし,鉄粉の大きさや形状,シリコーンや磁力など,考えるべきパラメータは多数あるため,変化率に寄与する度合いの高いパラメータの探索を次年度行うこととした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持ち上げ動作補助スーツを開発し,体を曲げた度合いに応じて非線形に反力が得られる構造を提案し,その効果検証を行った.さらにこのスーツに応用可能なゴムファイバーの生成方法を検討し,また生成したゴムファイバーを固定し,引っ張りながら磁力を与えることのできる装置の開発を行った.また,鉄粉の割合を変えた基礎実験を行うところまで実施できたことから,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に持ち上げ動作補助スーツの効果を確認できたことから,現状の補助スーツに使用されているゴムベルトのパラメータに近く,かつベルト長の調整範囲に相当する出力可変式の磁気粘性ゴムファイバーの変化率の高いパラメータを探索する.
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Causes of Carryover |
初年度に製作した実験装置を用いて次年度に各種パラメータを変更して実験を実施するため,材料費が初年度よりもかかるため.
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Research Products
(2 results)