2019 Fiscal Year Research-status Report
科学普及活動家ルイ・フィギエにおける科学と非科学の関係性
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19K22995
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
槙野 佳奈子 宇都宮大学, 国際学部, 助教 (40844808)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 科学普及活動 / 超自然 / 19世紀フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2019年度)は「科学普及活動家ルイ・フィギエにおける科学と非科学の関係性」として2年間の予定で進められている研究の、1年目に該当する。 本研究は、科学普及活動家ルイ・フィギエ(Louis Figuier, 1819-1894)の著作を中心に分析し、この人物が当時の「科学」と「非科学」の関係性をいかに捉えていたのかを考察していくものである。 ルイ・フィギエは19世紀のフランスにおいて、当時最先端の科学技術の詳細を一般向けにわかりやすく説明する著作を手掛けていた人気作家である。報告者は本研究を進めていく中で、この人物にとっての科学の在り方を再検討することにより、科学と人間の関わり方など、今日にも通じる諸問題についても再考できる可能性が開けていくことを示そうとした。 本年度は特に19世紀フランスの「科学普及活動」(vulgarisation scientifique)の中で、フィギエが1850年代から1860年代にかけて科学の進歩を礼賛するような著作を一般向けに数多く手掛ける一方で、彼が同時代のフランスで流行していた超自然現象にも少しずつ魅了されていくプロセスを描き出すことを試みた。 具体的には、科学普及活動家でありながらもフィギエが不可思議な現象に魅了されていった点を示した口頭発表を1件、実施した。そしてフィギエの著作の一つである『近代における驚異の歴史』を中心に分析した論文が1件、刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、本年度はルイ・フィギエの『近代における驚異の歴史』などの著作を中心に分析することになった。こうした研究計画のもとで、論文については1件が刊行され、口頭発表については1件、実施することができた。2020年2月冒頭には、フランスの国立図書館において、19世紀のフランスで流行した降霊術についてさらに調査を実施した。この成果は2020年3月に2件、口頭で発表することが決定していたが、新型コロナウィルスの流行により2件とも中止になってしまった。こうした事態がなければ、さらに研究は進展していたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、2020年3月に予定されていた口頭発表2件が、新型コロナウィルスの流行で両方とも中止になってしまったため、口頭で発表するはずだった内容については新たに別の形で発表できるよう準備を進める。さらに当初の予定通り、死後の世界に関するフィギエの考えについて文献調査を進める。
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Causes of Carryover |
本来であれば次年度使用額は生じない計画であった。しかし新型コロナウィルス流行のため、2020年3月に発表予定だった学会が直前に中止となり、その参加の交通費として計上していた金額が次年度使用額として生じることになった。ただし、その金額は2千円未満であるため、報告者の今年度の計画には特に問題はなかったと考えている。
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Research Products
(2 results)