2022 Fiscal Year Annual Research Report
Towards the Construction of a Dance Archive: A Study on Ito Michio and the Ernie Pyle Theater
Project/Area Number |
19K23021
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
串田 紀代美 実践女子大学, 文学部, 准教授 (80790906)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 伊藤道郎 / アーニー・パイル劇場 / テイコ・イトウ / 伊藤祐司 / オリエンタルダンス / 東洋舞踊 / 民族舞踊 |
Outline of Annual Research Achievements |
伊藤道郎がアーニー・パイル劇場で上演したステージ・ショウの作品分析と演出戦略を踏まえ、既存のジャンルである「日本物」と「洋物」のいずれにも属さない「民族物」の一連の作品の系譜について引き続き考察した。 伊藤道郎が総監督としてアーニー・パイル劇場において上演した舞踊レパートリーには、琉球、インドネシア、タイ、ラテンアメリカの風俗と舞踊・音楽を題材とした「民族物」ともいえる作品群がある。それが、1946年11月から1947年6月までに製作された5作品(うち2作品が1947年7月と12月に再演)である。これらは現地での舞踊音楽の実演に基づいて製作されたものではなく、対象地域の文化を客体化し、類型化したモチーフの連想を繋ぎ合わせ、米国で培われた経験と想像力によって製作された。 今年度は、伊藤道郎の実弟で伊藤祐司と、日系米国人の東洋舞踊家テイコ・イトウとの協働的舞踊創作活動について引き続き調査を行った。2人が東南アジアでの民族舞踊・音楽に関する現地調査を踏まえて創作した舞踊作品について、当時のプログラム、新聞雑誌記事などに基づき考証した。「オリエンタルダンス」は、戦前の欧米での人気に乗じて伊藤道郎も米国で上演していたが、1939年の日本への一時帰国後、テイコ・イトウがアジア諸国で現地の舞踊家から直接習得したタイ、インドネシア、インド、朝鮮の舞踊・音楽に伊藤道郎が触れ、身体的動作の特徴、衣装、装身具、小道具、舞台背景、音楽の曲調などを、間近に観察する機会を得た。当該諸国の民族舞踊の類型化された特徴は、1946年11月にアーニー・パイル劇場で上演され米国でも高評価を得た作品「ジャングル・ドラム」の日米の新聞雑誌等に掲載された写真により確認することができた。
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Research Products
(2 results)