2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K23043
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北崎 勇帆 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 講師 (00847949)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 日本語史 / 文法史 / 文体史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、和文体・漢文訓読体、話し言葉・書き言葉といった日本語の文体の差異が、文法変化に与える影響の解明を目指すものである。本年度はこの問題について、以下の研究成果の公表を行った。 ・ロドリゲス『日本大文典』の活用の項の記述において、「話しことば」と「書きことば」とがうまく対応しない場合のあること、また、それが実際の「書きことば」の資料とも整合性のない場合もあることを示した上で、その記述にロドリゲス自身の文体意識が反映されている可能性のあることを指摘した。(「『日本大文典』の意志・推量形式と「話しことば」「書きことば」 」『高知大国文』51) ・江戸時代刊行の『春色梅児誉美』を近代に口語訳した「新訳」作品3種の資料紹介を行い、それらの比較対照により言語変化の手がかりや、近代の話者の、語や文法形式に対する新旧の意識を探ることができることを示した。(「近代に口語訳された三種の梅暦」『近代語研究22』武蔵野書院)
|