2019 Fiscal Year Research-status Report
アジア太平洋戦争における慰問雑誌の読者に関する総合的研究
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19K23050
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
中野 綾子 明治学院大学, 教養教育センター, 助教 (80764894)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 日本文学 / 近代文学 / 読書 / 図書 / 読者 / 書物 / 出版史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「将兵という読者」がいかなる読者であったのかを明らかにし、東アジアにおける文学状況・読書行為の歴史のなかに位置づけることである。 そのために、将兵用に製作・送付された慰問雑誌や将兵用の図書に関する調査・分析をおこなってきた。 2019年度の成果としては、10月に台北で開催された東アジアと同時代日本語文学フォーラムにおいて、「『兵隊という読者』の宣伝―雑誌『兵隊』の記事を中心に」として、『兵隊』に掲載された記事や中国文学の翻訳や南支派遣軍報道部内の編集部の状況などを考察する発表をおこなった。それにより、「兵隊という読者」を軍報道部がいかに意味付けようとしていたのかについて明らかにした。 また、『日本陸軍『各部隊文庫図書目録』―帝国軍隊の読書装置』(金沢文圃閣、2019/11)の推薦文にて、1910年ころの宇都宮、熊谷、佐野連隊など、陸軍内における「文庫図書目録」の位置づけをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月に日本国内および中国(武漢・広州)での調査を計画をしていたが、新型コロナウイルス蔓延による影響により、調査が中止となっている。今後の状況次第では、研究計画を大幅に見直す必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、調査が実行できればこれまでの研究計画を推進する予定である。新型コロナウイルスによる状況が改善しなければ、現在所持する資料を活用した雑誌分析および改造社資料を中心とした戦時下の出版社研究を中心とした研究へと変更をする予定である。
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Causes of Carryover |
年度末に予定をしていた中国(広州・武漢)および日本国内(名古屋、大阪、京都等)の資料調査が、新型コロナウイルスの影響により行うことができず、大幅な変更がおこった。新型コロナウイルスの状況が改善すれば、計画通りに各地への資料調査を実施して使用する計画である。
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Research Products
(3 results)