2019 Fiscal Year Research-status Report
「法と文学」の基礎的研究:日本近現代文学のなかの戦争裁判
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19K23052
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 ヨンロン 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (60806595)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 法と文学 / 戦争裁判 / 東京裁判 / 日本近現代文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である2019年度は、「法と文学」理論の基礎的文献を調査する一方で、戦争裁判を描いた文学作品をリスト化することに専念した。なかでも重要な作品を選び、個別作品の分析を行った。その成果としては、まず、上半期に共編者および分担執筆(東京裁判を描いた文学と検閲に関する議論)としてかかわった著作の刊行が挙げられる(金 ヨンロン, 尾崎 名津子, 十重田 裕一編『「言論統制」の近代を問いなおす : 検閲が文学と出版にもたらしたもの』花鳥社、2019年)。他にも、研究成果の発表を積極的に発信しようと試み、合計4回の国際学会での研究発表を行った。また、戦争裁判と文学に関する短い記事も発表した。2020年1月から3月までは、客員研究員としてハワイ大学マノア校に滞在し、東京裁判研究で著名な研究者であるYuma Totani教授から随時コメントをもらいながら議論を進めることができた。その成果は、同大学の日本センターの公開セミナーで発表することができ、聴衆から多くの有意義なコメントをもらった。2020年2月には、早稲田大学SGU国際日本学拠点で企画した松本清張国際シンポジウム(米国・UCLAにて開催)に参加し、東京裁判を描いた松本清張の作品『砂の審廷』について研究発表を行った。以上のような研究成果の発信を通して、世界中の同分野の研究者と活発な議論を重ねることができ、次年度に実行する研究内容をより具体化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究に集中できる環境が整っており、国際学会などでの発表の機会も多く得ることによって、当初予想していたより多くの成果を出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、戦争裁判を書いた日本文学のリスト化も続けて行う一方で、「法と文学」という議論の英語文献の調査にも力を入れ、議論の枠組みを検討し、2019年度に行った研究発表をまとめていきたい。当初の予想より、多くの重要な作品が発見できた場合は、研究を更に進め、単行本という形よりは個別論文として研究成果を発表するつもりである。今年は一本の英語論文の投稿を計画しており、一回の国際学会での発表を予定している。
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