2020 Fiscal Year Research-status Report
英語談話における学習者の指示表現産出メカニズムの解析:言語・非言語文脈情報の役割
Project/Area Number |
19K23057
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
宮尾 万理 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (50851002)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 談話処理 / 指示表現 / 英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第二言語学習者が目標言語で産出する談話の中で登場人物を指し示す際、言語的文脈情報・非言語的文脈情報・またはそのどちらも使用して指示対象の文脈内顕著度を測るのかを調査することである。コンピューター上に提示される説明文からの言語的文脈情報と、同じくコンピューター上に提示される絵からの非言語的文脈情報を操作することによって、日本人英語学習者が英語談話産出中に使用する指示表現に違いが出るかを分析するものである。
昨年度に日本人英語学習者の被験者を募ってデータ収集を行なったが、本年度も継続して収集を行い、研究補助者や海外の有識者の協力を得ながら詳細なデータ分析を行う予定であった。しかし、感染症の蔓延のため、対面で行う必要があったそれらの計画を遂行することができなかった。よって今年度は関連文献を収集することと、初期段階のデータ分析結果を学会で発表することに留まった。現段階で判明していることは、学習者は指示対象の文脈内顕著度を測るのに言語的文脈情報も非言語的文脈情報も使用できるが、それら2種類の文脈情報が同時に与えられた時は相乗効果の傾向があることである。ある先行研究が行なった読解課題では日本人英語学習者は特定の指示表現の好みを見せなかったが、本研究の結果と照らし合わせると、これは言語的文脈情報を使用しない・できないからではなく、提示された刺激文など課題そのものに何らかの原因があった可能性がある。本研究の研究期間を延長して次年度もデータ収集と分析を継続し、疑問へのより明確な答えを追究する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
感染症の蔓延のため、実験被験者や研究補助者と対面で予定していたデータ収集と分析が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
社会的状況が許せば、データ収集と分析を再開する。有識者から助言を得ながら、結果を学会や論文で発表する。
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Causes of Carryover |
データ収集の継続、研究補助者との詳細なデータ分析、海外の有識者との会議、国際会議での発表等を予定していたが、感染症の蔓延により行えなかったため。社会状況が許せば、これらを遂行する。
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