2020 Fiscal Year Research-status Report
Non-canonical case marking: A descriptive and theoretical study of the grammar of Northern Ryukyuan languages
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19K23060
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
金城 國夫 別府大学, 文学部, 講師 (10847635)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 琉球諸語 / 格 / 記述言語学 / 生成文法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、沖縄、奄美での現地言語調査が実施できなかったため、研究の進展が大幅に遅れる結果となった。リモートでの言語調査を3度(金武方言1回、宮古島友利方言2回)実施し、2020年6月に日本言語学会、2021年1月に九州方言研究会にてそれぞれ研究結果の一部を発表した。 前年度は主語の有生性と主節・関係節という統語環境の違いが主格のガ・ヌ選択にどのような影響を与えるかについて調査を行った。その結果、ヌの使用範囲が主節よりも関係節で広くなることが分かった。この研究結果を2020年6月にオンラインで開催された日本言語学会第160回大会にて発表した。 今年度は「動詞の他動性」にも着目し、他動詞(例:食べる)、非能格動詞(例:歩く)、非対格動詞(例:倒す)ごとに主格のガ・ヌ分布を調査した。十分な調査データが得られたとは言い難いが、動詞の多動性が下がるごとに、ヌの使用範囲が広がる傾向にあり、主節・関係節におけるガ・ヌ分布の差が小さくなることが観察された。この調査結果を2021年1月にオンラインで開催(ホスト:別府大学)された九州方言研究会第50回大会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、沖縄・奄美地方への出張が困難なため、言語調査が大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施できなかった奄美方言の調査を実施し、引き続き現時点で得られたデータの理論的分析を行う。言語調査はコロナ感染状況を見て慎重にタイミングを決め、万全な感染対策を施した上で実施する。またiPad等の通信機器を送付するなどして、これまでの調査協力者とのリモートでの調査体制もより強化していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により言語調査や国内・国外学会参加のための旅費の使用ができなかった。2021年度は沖縄・奄美地方への旅費、リモートでの言語調査体制確立のために必要な機材、琉球諸語や生成文法関連図書の購入に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)