2021 Fiscal Year Annual Research Report
Non-canonical case marking: A descriptive and theoretical study of the grammar of Northern Ryukyuan languages
Project/Area Number |
19K23060
|
Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
金城 國夫 別府大学, 文学部, 講師 (10847635)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 琉球諸語 / 記述言語学 / 統語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も前年度同様、新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、現地調査が制限されたが、感染状況の比較的落ち着いた7月下旬および8月上旬に奄美大島瀬戸内町で、10月上旬および3月中旬に沖縄本島宜野湾市、国頭村でそれぞれ調査を行うことができた。調査の主な目的は金武方言の調査で得られた、主格の格助詞ヌの使用範囲が関係節や他動性の低い節において広がる、という一般化が北琉球語の他方言においても成り立つのかを確認することであった。奄美大島では瀬戸内町内の嘉鉄、古仁屋、網野子、篠川などの集落で調査したが、この一般化がこれら集落の方言でも成り立つことが分かった。さらに10月に実施した沖縄本島宜野湾方言でも同様の傾向を確認した。 また奄美大島瀬戸内町方言では、前年度の調査では十分に検証できなかった目的語につく主格助詞ヌ(ヌ格目的語)についても調査を行った。その結果、時制を欠いた節でヌ格目的語が許容されやすいという傾向が見られた。また方言によっては目的語の有生性によって許容度が変わる場合もあった。 3月に実施した調査では沖縄本島北部国頭村の安田、安波集落の方言を対象に、次年度以降の予備的調査として基礎語彙や動詞の活用に関するデータの収集を行った。 上記の研究成果を国内の学会や学術誌上で発表した。6月に沖縄外国文学学会、10月に日本方言研究会にてオンラインで口頭発表を行った。また、法政大学沖縄文化研究所が発行する研究誌『琉球の方言』45号に投稿した論文が採択され、3月に刊行された。
|
Research Products
(3 results)