2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K23091
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
鎌田 智恵 大谷大学, 文学部, 助教 (80844373)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 歌学 / 顕昭 / 飛鳥井家 / 雅有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、院政期末から鎌倉時代初期に活動した六条藤家の歌学者・顕昭の歌学の後代的受容の解明、とりわけ中世前期の飛鳥井家における著作の受容状況を明らかにすることにある。初年度(2019年度)は、主に以下の2つの調査研究に取り組んだ。 1. 顕昭著書の伝来経路の調査・整理 顕昭の著作は数多く現存している。それら各著作の伝本の奥書を中心に、彼の著作がどのような人々によって書写され伝わってきたかを著作別に調査した。要調査資料点数が多いため、調査は主に公開画像資料やマイクロフィルム・紙焼写真の閲覧を中心に行った。閲覧が容易でない伝本については、活字化された本文(校本の校異を含む)や先行研究の調査結果にひとまず従った。一部、調査は未了であるが、中世以前の状況についてはおおよその伝来経路が整理できた。近世以降の状況については、今後も継続的な調査・整理が必要である。 2. 鎌倉時代~室町時代前期における歌道家・飛鳥井家の歌学的活動の調査 顕昭の著作の多くは、室町時代以降、歌道家として栄えた飛鳥井家の人物の手を経て今日に伝わっている。そこで鎌倉時代後期に顕昭著作の多くを書写したことで知られる飛鳥井雅有(1241-1301)と、同じく顕昭の著作を書写した室町時代前期の飛鳥井雅縁(1358-1428)の2人を中心に、この間の飛鳥井家における顕昭著作の書写状況を調査・整理した。また先行研究を参照しつつ、さまざまな資料から飛鳥井雅有の伝記を整理し直した。以上に加え、補足的に、近世後期に飛鳥井家の伝来資料を整理・収集した飛鳥井雅威(?-1810)の事蹟調査も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先に進行していた別研究への取り組みを優先していたため、本研究の開始時期が遅れた。そのため、当初の計画より全体的に進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度(2019年度)に完遂できなかった調査に優先的に取り組む。当初の計画では、初年度に1.伝本の奥書調査、2.飛鳥井雅有の活動の整理、3.顕昭歌学が雅有へ与えた影響の考察の3点を、最終年度(2020年度)に4.飛鳥井雅縁の活動調査、5.顕昭歌学が雅縁周辺に与えた影響の考察の2点、計5点を予定していた。このうち初年度は1・2に中心的に取り組むも一部未了、調査の便宜から4にも取り組んだがこちらも中途段階にある。そのため最終年度(2020年度)は1・2・4の調査を継続し、まだ取り組んでいない3・5については3を優先することとする。
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Causes of Carryover |
調査旅行で生じた旅費および資料複写代は、日程の都合から別の研究費をそれにあてた。そのため初年度(2019年度)の支出には反映していない。また初年度(2019年度)に実施した調査では撮影機材が不要であったため、予定していたカメラおよび三脚の購入も見送った。これら調査旅行にかかる旅費、物品費、資料複写代は、次年度の調査時の支出とする予定である。
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