2019 Fiscal Year Research-status Report
教育的介入を用いた小学生の音素認識能力の発達的変化に関する調査
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19K23093
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
中尾 かおり 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (80846494)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 小学校英語教育 / 音素認識能力 / 文字指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語を母語とする小学生の英語の音素認識能力の発達ついて、文字指導の教育的介入を取り入れた場合、音素認識能力や心理的側面がどのように変化するのかを明らかにすることである。また、外国語学習の入門期における音素認識を高める文字指導の重要性を認識させるため、小学校教員志望の学部生への実践の機会を提供し、教育実践現場と連携・協働した文字指導のあり方を探究する。日本の小学校英語教育においては、2020年度から新学習指導要領の全面実施により、高学年では外国語(英語)が教科化され、中学年では外国語活動が必修となった。高学年では「読むこと」「書くこと」を含めた指導が行われることからも本研究課題は極めて重要な課題である。 昨年度は、国内外の母語教育及び第二言語教育における文字指導に関する文献・理論的研究を行うとともに、県内の複数の公立小学校において実地調査を行った。具体的には、外国語活動及び外国語の授業観察、学級担任・外国語専科教員・ALTに対してインタビュー調査を実施し、教科化前の移行期間(2019年度)に行われていた文字指導について実態調査を行った。また、調査協力校において、授業観察及び聞き取り調査を行うとともに、移行期間である2019年度の小学生のアルファベット知識及び音素認識レベルを調査するため、中学年及び高学年を対象とした音素認識テスト(事前調査)を実施した。 これまで収集したデータの整理及び事前調査で得たデータの分析、質問紙調査項目の修正を終えている。今後は更なる調査を行うとともに、データ分析及び考察を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の公立小学校において外国語活動及び外国語の授業視察、教師へのインタビュー調査を行うことで、小学校英語教育で実践されている文字指導について調査することができた。採択決定後についても、調査協力校とのスムーズな打ち合わせ及び協力を得ることができたため、音素認識テスト(事前調査)や聞き取り調査を効率よく進めることができた。したがって計画は概ね順調と言える。今後は更なる調査を行うとともに、データ分析及び考察を進展させていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、日本の小学校英語教育における文字指導のあり方を検討すべく、小学生を対象とした音素認識調査及び質問紙調査、学級担任や外国語を担当する専科教員などへのインタビュー調査を継続して行う。具体的には、音素認識調査を実施するとともに、学部生による参与観察及び教育的介入を試みる。また、その前後に実施する質問紙調査及びインタビュー調査を通して、小学校英語教育における文字指導の課題についても明らかにしたい。さらに、昨年度の調査で得られたデータを分析し、国内外の学会(今年度発表予定であった国際学会については、新型コロナウィルス感染拡大の影響により2021年度に延期)で発表するとともに、学術雑誌に投稿する予定である。 なお現在、政府による緊急事態宣言延長を受け、各学校において休校延長措置が取られているため、小学校が再開し、調査研究が可能となった上で順次実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年2月~3月に予定していた研究打ち合わせ及び参加予定であった研究会等が新型コロナウィルスの影響で中止となったため、残余が生じた。2020年度は、緊急事態宣言が解除され、教育実践現場での調査研究が可能となり次第、調査研究を実施・報告して計画的に執行する。
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