2019 Fiscal Year Research-status Report
基礎医学英語論文におけるムーブに典型的な定型表現の記述
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19K23095
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
石井 達也 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90845603)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | コーパス / 定型表現 / ムーブ分析 / 医学英語 / ESP |
Outline of Annual Research Achievements |
学術界の国際化により英語での論文の重要性がますます高まっている。本研究の課題はIntroduction, Methods, Results, Discussion (IMRD)で構成された基礎医学英語論文300編(総語数約160万語)を論の展開を示す12のムーブ(move)ごとにコーパスデータを収集し、各ムーブを構成するステップ(step)と典型的な定形表現を記述し、効果的な英語論文執筆を支援することである。 これまでのコーパス研究とムーブ分析を融合した研究は、Hyland (2007)や水本等(2016)のように、ムーブに関係した語連鎖(主に4語連鎖)を記述してきた。語連鎖は頻度分析であるので、大規模コーパスの場合に大変有効である。しかし本研究で作成したコーパスは総語数約160万語であり、大規模コーパスではない。そこで本研究では、Gledhill(2000a,d)が提唱しているように、全体コーパスを分析対象のコーパスと比較した。分析対象のコーパスに特徴的なkeywordを算出し、対象コーパスの特徴を分析した。具体的には全体コーパスを参照コーパスとし、各ムーブのkeywordを解析ソフトであるCasualConc(今尾, 2019)を用いて算出した。その後、12のムーブのkeywordを品詞ごとに分類し、ムーブの特徴を明らかにした。令和元年度は、特に副詞のkeywordを含むコンコーダンスラインの解析を行いムーブに関係するステップと典型的な定形表現を明らかにすることに重点をおいた。令和元年度の学会発表としては、研究協力者である河本健(広島大学)と英語コーパス学会において、Results部分における文頭の副詞を含むステップと定形表現に関して英語で口頭発表を行った。その結果としてムーブとムーブを繋ぐ副詞の役割の振舞いに注目することは、英語論文執筆に役立つことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究のまとめや研究手法についての大方の目処は予定通りである。ただし、コーパスデータの再分析が予定よりも遅れている。本研究はコーパスデータの精密性が結果の信頼性に繋がる。現在、データの精密性の担保のために第三者にコーパスデータの一部(30論文)のムーブ分析を依頼している。本来ならば令和元年度に分析完了の予定であったが、コロナの影響により、令和二年度6月末に延期となった。これによりデータの再確認の作業が遅れている。全体としては当初予定していた学会発表等できており、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データの再確認の作業を行い、国際学会・国内学会での発表・査読付き論文への投稿を行っていきたい。データの再確認に関しては、コロナの影響で遅れている。ただ研究手法については確立しており、データの再確認後に確実に成果にしていきたい。具体的には、12のムーブに基づく全体コーパスと比較し、各ムーブのkeywordを算出する。その後、品詞ごとのkeywordリストを作成する。品詞としては副詞に注目し、ムーブを構成するステップと副詞を含む定形表現を記述していきたい。
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Causes of Carryover |
前述したように、コロナの影響により、第三者によりデータの確認作業が遅れているので、人件費等の支払いが次年度となった。また参加予定であった学会もコロナにより延期等になり、来年度へ繰越となった。
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Research Products
(1 results)