2023 Fiscal Year Annual Research Report
School Segergation and Black Activism in the Late Nineteenth-Century American South
Project/Area Number |
19K23121
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
山中 美潮 上智大学, 外国語学部, 助教 (70844091)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
Keywords | アメリカ南部史 / アメリカ黒人史 / 市民運動 / 教育 / 人種隔離 / 再建期 / 公立学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19世紀末アメリカ合衆国の黒人市民による公立学校の人種隔離反対運動を検討することを目的とした。この研究は、公共交通機関や黒人参政権はく奪過程に注目が偏りがちであった人種隔離制度研究に、教育の観点からアプローチするものである。本研究が着目する黒人市民運動は、学校の人種隔離を奴隷制廃止直後から問題視していた。公教育は黒人コミュニティの市民権理解と人種平等概念の広がりに重要な役割を果たしており、アメリカの人種マイノリティによる市民運動史を刷新するために欠かせない観点である。 2023年度は史料調査に区切りをつけ、論文および単著執筆と学会発表を目指した。本研究は当初、南北戦争後の黒人による人種隔離教育反対運動について、四地域(ルイジアナ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州およびワシントンDC)に着目する予定であった。ところが科研プロジェクト開始直後にコロナ禍が始まり各地域での調査に困難をきたしたため、四地域の横断的研究を断念し、博士論文から研究蓄積のあるルイジアナ州に焦点を絞り調査と執筆活動を行うこととした。 2023年夏・春には、ワシントンDCにあるナショナル・アーカイブスや議会図書館を訪問し、ルイジアナ州占領期関連史料を中心に引き続き調査を行った。同時に執筆活動に徐々に重点を移した。具体的には、19世紀末の教育問題がどのように公共機関の人種隔離問題全般に広がっていったのか考察した査読論文一本を投稿(現在査読審査中)した。年度末にはLouisiana Historical Association年次大会にて"The Fillmore Boys School and Creole Children of Color in Reconstruction New Orleans"というタイトルで学会報告も行った。これらの研究成果に加え、現在これまでの調査をまとめた単著(英語)を執筆中である。今後出版に向けて原稿を完成させ、出版社と交渉を進めていく予定である。
|