2021 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける華人キリスト者の人類学的研究:「中華性」と対峙する日常
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19K23127
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
Mori Albertus.Thomas 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 外来研究員 (70849835)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 華人 / プロテスタント / 越境 / 福音派 / 国民国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2022年2月の時点で、新型コロナウイルスの影響により、主な調査先(インドネシア、マレーシアなど)のへ渡航制限および研究調査許可の申請受付の一時中止がまだ継続している。それを受けて、インターネットを活用して一部の調査対象者へのインタビュー調査などを図っていたが、本来予定した現地協力者をはじめとする対象者や関係者の大半が高齢のために、SNSや電子メールなどに慣れておらず、本研究にとって満足できるコミュニケーションをとれなかった。その状況に鑑み、本研究の計画における主な研究活動である現地フィールドワークを実施できる見込みがないと見られたため、これ以上の延長申請を行わずに研究事業を終了させるべきと判断した。
他方、調査対象である各教会やミッション系機構の関係者の中、10~30代の人々が集まるSNSのグループ合計6つに参加してかつ日常的なチャットを調査した。結果として、これら若い世代の華人キリスト者たちは伝道大会などの宗教イベントへの積極的な取り組みを立身出世委などの自己実現のツールとして考える傾向があると分かった。実際に行われる宗教実践の空間にアクセスしないとこの傾向性を検証できないが、今後渡航制限および調査許可の制限が解除された暁に、この傾向性への把握は、本研究事業と同じ方向の研究活動に資すると考えられる。それに関連する考察作業は、本研究事業が終了した後も継続してかつ公表する予定である。
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