2019 Fiscal Year Research-status Report
ナイジェリアの臨床試験におけるネットワークと知識の生産過程に関する人類学的研究
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19K23136
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
玉井 隆 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 講師 (40845129)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 医療人類学 / ナイジェリア / 医学研究 / 病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
新たな研究活動をスタートさせるため今年度は必要な設備の整備、基礎文献のサーベイ、調査地となるナイジェリア・ラゴス州でのフィールド調査をそれぞれ実施した。文献サーベイについては、アフリカ地域研究・社会人類学・歴史学分野を中心に必要な書籍を購入し随時その内容を検討した。これまでのところ、特に病院を対象とした医療人類学的研究については、感染症分野は現在でも多数の蓄積があるが、都市部を対象とした非感染症疾患(慢性病、精神病)について検討課題が多いことが明らかになりつつある。 文献の検討結果を踏まえ、また国内の研究者とのミーティングを数度行い助言を得た上で、2020年2月から3月にかけて3週間に渡りナイジェリア・ラゴス州でフィールド調査を実施した。ラゴス大学医学部、国立ラゴス大学医学部付属病院、国立ラゴス州ヤバ地区精神病院をまわり、医師、社会福祉士、心理学者とそれぞれ複数回協議を行い、今後共同での調査を行うことも視野に入れて、次回より長期入院の患者を対象とした調査を行うこととした。また倫理審査に関する諸手続きについても共有され、次回調査までにその手続きが完了する手はずを整えた。 最後に、本研究はスタートしたばかりであるものの、これまで研究者がナイジェリア・ラゴス州の医療・公衆衛生について検討結果も踏まえた成果を発表した。具体的にはナイジェリアの公衆衛生課題に関する政府や国際機関、NGOの対応を踏まえた人々の行動と認識に関する研究(単著)、ナイジェリアの社会福祉に関する概説(分担執筆)がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記した実施項目の内、文献サーベイ、フィールド調査は共に順調に進めることができた。当初やや懸念されていた現地医療機関での倫理審査についても問題ないことが確認でき、また現地研究者との共同での研究の可能性も拡がった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き文献サーベイとフィールド調査を行う。ただしフィールド調査については、2020年度は夏と春に2度のフィールド調査を予定しているが、COVID-19の感染拡大に伴い、今夏に予定しているナイジェリアでのフィールド調査については延期する可能性がある。この場合春に予定しているフィールド調査期間を長めに設定して行うなどして調整する。またナイジェリア調査に関してはフィールドのみならず、植民地期から現在までの医療政策・制度に関する資料やその報告を収集し検討していく。
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