2021 Fiscal Year Annual Research Report
ホッブズとロックの宗教論―17世紀半ばイングランドの脈絡から
Project/Area Number |
19K23177
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
岡田 拓也 大東文化大学, 法学部, 講師 (20846646)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | ホッブズ / ロック |
Outline of Annual Research Achievements |
元来は令和2年度までの予定だったが、コロナ禍への対応により当初の予定より研究期間を1年延長して研究を行った。この期間の主たる成果として、ホッブズに関する研究論文が2つの国際的な学術誌でアクセプトされた。一つ目が、『リヴァイアサン』38章におけるホッブズの聖書解釈と同時代人の聖書解釈との関連性を示す論文である。この論文はもともと、ホッブズの聖書解釈と彼の同時代人オーヴァトンの聖書解釈との関連性を示す論文として研究を行っていた。だが査読者からのコメントを基に原稿を大幅に修正して再提出し、アクセプトされるに至った。 もう一つが、『リヴァイアサン』における寛容を巡るホッブズの議論を同時代の寛容論争に位置付ける研究である。この原稿も査読者のコメントを基に何度も修正を行ってきた。最終的には、ホッブズの議論と同時代の寛容論者ジェレミー・テイラーを比較し、両者の立場が近似していることを指摘する論文に修正し、これがアクセプトされた。 この他にも、研究期間全体を通して、国内および国際的な学会での研究発表やコメント、ホッブズやロックに関する近刊の書評を行った。 ホッブズに関する研究成果の発表に時間がかかり、ロックに関する研究は成果を発表するまでには至らなかった。だが、これまでのホッブズ研究を踏まえ、初期のロックの宗教論を17世紀半ばのピューリタン革命期の寛容論争の脈絡に位置付けるという論文の構想がかなり明確になった。今後はこの構想を論文にし発表していきたい。
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