2020 Fiscal Year Research-status Report
視線測定・調査実験による政治情報への接触の測定と理論の再構築-日米比較を通して-
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19K23180
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
劉 凌 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (80844521)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | メディア情報選択 / 選択的接触 / 調査実験 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、実験の技法を用いて、政治情報への接触過程に、メディアを相対的に高い信頼を寄せる傾向がある日本人とメディアへの不信感が強いアメリカ人に違いが見られるかどうかを明らかにすることを目的としている。 メディアの政治的効果が限定であることは、アメリカのみならず、日本の実証データからも支持されている。しかし、メディアへの不信感が高いアメリカの文脈と対照的に、日本は他国よりも高いメディアへの信頼度を有している。そこから、「メディアを信頼するにもかかわらず、なぜ日本の有権者の投票行動はメディアに影響されないのか」というパズルが出てきた。本研究は、態度維持の鍵となる人の情報への接触過程を精緻に分析し、さらに日米の比較を通して、この問題を解決することを目指している。
2020年度の研究成果としてあげられるのは、2019年度に実施した、メディア報道に対する選択行動に関する調査実験から得られたデータの分析を行い、国際コミュニケーション学会で発表したことである。さらに、分析結果を学術論文にまとめて、本分野に有力な国際学術ジャーナルへ投稿し、査読及び修正を行っている。コロナ禍の中で、色々な制約があるにもかかわらず、研究成果を広く公開することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2019年度に実施した調査実験から得られたデータの分析を進めることができ、研究成果を広く公開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画した視線測定による政治報道に対する注視の検証を行う。ただし、視線測定調査は実験室で行う必要があるため、もしコロナなど、実験室実験を行うことが難しい場合、注視時間の代わりに、閲覧時間を測定できるオンライン調査実験の実施へ変更する対応策も検討している。
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Causes of Carryover |
コロナ情勢のため、当初計画した視線測定による実験室実験を行うことが難しくなったため、そちらの予算は次年度に使用する予定である。一方、もしコロナ情勢は改善できず、実験室実験を行うことがやはり難しい場合、対策案として閲覧時間を測定できる調査実験を実施することも検討している。その場合、調査プログラムを改めて開発する必要が出てきて、次年度における使用額を多く見込む必要があり、計画に組み込むことにした。
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Research Products
(4 results)