2022 Fiscal Year Research-status Report
テロ事件の発生は反移民態度を高めるのか―メタ分析による検討―
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19K23182
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田部井 滉平 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (00843947)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 反移民 / テロリズム / 排外主義 / メタ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、本研究と類似の研究(Godefroidt, 2021)が、2021年に公刊されたことを受け、2020年度までの研究成果を活かしつつも、先行研究といかに差異化するかを考えた。 先行研究(Godefroidt, 2021)では、偏見や排外主義、敵対感情といった変数を「外集団敵意」とひとくくりにまとめているが、これは似て非なる変数を扱った研究をまとめることで起こる「オレンジとリンゴ問題」を招きうる。そこで、本研究では、移民への敵対感情や移民集団への態度(偏見)といった社会心理学的変数と移民受け入れ(政策支持)に関する態度といった政治学的変数を分けた上でのメタ分析を行い、含意を導くことを新たな目的とした。2022年度では、移民に対する態度に関して質問調査の文言が計測する態度や感情の内容にどのような影響を与えるかを理解するため、日本国内でのサーベイ調査を実施した。 現在は、このサーベイの結果を考慮しながら、研究のスクリーニングや情報のコーディングを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度に類似研究が公刊されたことを受け、研究の方向性を見直す必要が生じた。そこで、どのように研究をまとめるか、研究の方向性を新たに設定し、メタ分析の進め方を新ためて考え直す時間を要した。そのため、進捗に遅れを生じてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに収集した文献に、2023年以降に新たに公刊された研究を加える。そして、2022年度に実施したサーベイ調査の結果を踏まえながら、研究のスクリーニングを行い直す。その後、情報のコーディング、研究の質の評価を経た後、メタ分析を実施し、得た結果を評価・解釈して本研究の完遂を図る。
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Causes of Carryover |
2022年度は研究の方向性を見直したために、リサーチ・アシスタントを雇用してともに作業しようと考えていたデータのコーディングを完遂するに至らなかった。そのため、リサーチ・アシスタントの雇用費が生じず、次年度使用額が生じた。2023年度はリサーチ・アシスタンをを雇用し、新たに公刊された文献やさらなる関連文献の収集・コーディングをともに行う。また、海外学会へ参加し、研究成果を発表するための旅費に充てる。
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Research Products
(1 results)