2023 Fiscal Year Annual Research Report
テロ事件の発生は反移民態度を高めるのか―メタ分析による検討―
Project/Area Number |
19K23182
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田部井 滉平 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (00843947)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 排外主義 / テロリズム / メタ分析 / 政治学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、テロ事件が国民の反移民態度に及ぼす影響について、先行研究の結果の違いを統合的に捉える視座を提供することを目的とした。具体的には、先行研究の分析結果自体をメタ分析することで、結果の違いを統計的に検討した。 2022年度は、本研究と類似する先行研究(Godefroidt, 2021)を受けて研究の方向性を見直し、メタ分析の対象を社会心理学的変数(移民集団への偏見など)と政治学的変数(移民受入れ政策への態度など)に分けた上で検討することとした。また、日本国内でサーベイ調査を実施し、質問文言が反移民態度の測定にどのような影響を及ぼすかを検証した。 2023年度には、2022年のサーベイ結果を踏まえて先行研究のスクリーニングを行い直した。その上で情報のコーディングと研究の質評価を経て、本格的なメタ分析を実施した。その結果、テロ事件は一般に国民の反移民態度を高める傾向にあることが示唆された。しかし、社会心理学的変数と政治学的変数では影響に違いが見られ、前者の方が影響を受けやすいことが明らかになった。 今後は、テロ事件の種類や発生状況など、より詳細な条件が反移民態度に与える影響を検討する必要がある。また、本研究で得られた知見を、反移民的な風潮を和らげる実践的な方策につなげていくことが重要な課題である。 類似研究の公刊を受けて方針の見直しに時間を要したものの、最終年度にメタ分析を遂行し、一定の知見を得ることができた。
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