2020 Fiscal Year Research-status Report
UN Peacebuiding: Case study of South Sudan
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19K23184
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山田 真弓 立命館大学, 国際関係学部, 助教 (10748411)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 南スーダン / 国連 / 平和構築 / エチオピア / COVID-19 / ウガンダ / 武力紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍において引き続き調査・研究を行っている。特に、南スーダンの隣国、エチオピア西部ガンベラ州(南スーダンとの国境がある)にある南スーダン難民キャンプ地域で行ったフィールド調査結果をエチオピア政府と共有しており、南スーダン難民の帰還状況等について、引き続き情報交換・情報収集を行なっている。南スーダン国内では、国民統一暫定政府が2020年2月22日に発足、平和再構築のプロセスが再びコロナ禍で始動している。しかし、2023年の大統領選挙を行うこと、また国家形成および国民統合に向けての課題は残積していること、さらにコロナ禍という新たな外因も平和再構築プロセスに影響していること等、考察されるべき数多くの課題が残る。現在のコロナ禍の影響は未曾有であり、人々・政府・国際社会・国連にとっても、初めての経験となる。その中での脆弱な南スーダンの平和(再)構築の軌跡となる分析は興味深い結果となった。さらに、南スーダン周辺諸国のそれぞれの状況も考慮しながら、本研究は南スーダンの平和再構築における国連の役割について分析および提言を行なっている。隣国エチオピアでは2020年11月よりテイグレイを巡る武力紛争・内紛が続き、スーダンのダルフールもUNPKOの撤退の後を巡り更なる武力紛争が継続・激化の傾向がある。このような状況の中で、南スーダンのPoC(文民保護)サイトも南スーダン政府の管理下への移行期にあり、2021年1月には、UNMISSにも新しいSRSGが着任した。UNMISSと南スーダンの信頼構築の継続と協働のスタイルに注視する必要がある。2018年の和平合意の進展は大幅に遅れ、南スーダン流の平和再構築と国家形成および国民統合には、時間が必要があることは理解される。ただ、生存権や基本的人権に基づき、国民が本来享受するべき命・生活の保障を得られる体制を、政府は早急に確立するべきであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、ウガンダにおけるフィールド調査を延期している。来年3月までに渡航できない場合は、既に収集している文献資料を基礎に状況を精査・分析し、また、zoom等を使い、現地と遠隔インタービュー形式等の方法を取りながら、引き続き南スーダン難民の状況また帰還動向を分析を行う。また、2022年3月を目処に、エチオピアおよびウガンダ双方の南スーダン人難民キャンプの調査結果をまとめる。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19危機下での平和再構築は、人々を始め、政府・国連にとっても初めての事象・経験・軌跡となる。コロナ禍において、南スーダンにおいて平和がどのように再構築されていくのか、また適応していくのか、またどのように適応できる・できないのか、引き続きその軌跡を詳細に分析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍・緊急事態宣言により、アフリカ(特にウガンダ)のフィールド調査が現在まで延期されている。また、国内の移動も制限されており、国内での学会等、全てオンラインで調整している。 来年3月までに渡航できない場合は、既に収集している文献資料を基礎に状況を精査・分析し、また、zoom等を使い、現地と遠隔インタービュー形式等の方法を取りながら、引き続き南スーダン難民の状況また帰還動向を分析を行う。また、2022年3月を目処に、エチオピアおよびウガンダ双方の難民キャンプの調査結果をまとめる。
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