2023 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用電力契約におけるスイッチングコストと顧客満足度に関する研究
Project/Area Number |
19K23189
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
錦織 聡一 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (70814284)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 電力契約変更行動 / スイッチングコスト / 消費者行動 / マチュリティモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
■事前調査と検討モデルの提案 ①環境配慮行動のレビュー論文:需要家の環境配慮行動における行動変容の要因、介入方法、介入効果についてのレビュー論文の調査を進め、論文にまとめ公表した。 ②自治体新電力がどのようなレベルにあるかを分析可能とするために、各地域の自治体新電力のデータ取得し分析を行った。このデータ分析に基づき、成熟度ガイドラインを示すマチュリティモデルの開発を進めている。 研究1:電力会社を4タイプ(再生可能エネルギーを重視する会社、地域新電力、経済的メリットを重視する会社及び既存の電力会社)に分け、契約変更意図に影響を与える要因を明らかにする。分析途中の速報として、地域新電力よりも再エネ新電力の顧客の方が、変更前の電力会社に対する顧客満足度が低い傾向であり、変更電力会社のタイプによって、変更前の電力会社への顧客満足度が異なる。今後、顧客満足度、スイッチングコストと合わせ、エネルギーに対する関与、エネルギー地産地消に対する考え方、参加意図などを変数に組み込み、電力契約変更に影響を与える要因や電力会社のタイプによる相違を検証する。 研究2:設備投資行動と契約変更行動および電力消費行動の関係電力契約変更行動と設備投資行動および電力消費行動との関係性の一部を明らかにする。分析途中の速報として、電力契約を変更した顧客とそうでない顧客にて、太陽光発電設置の意図及び実際の設置への傾向が異なる。地域新電力、再生可能エネルギーを重視する会社の電力契約を変更した顧客は、自宅への太陽光発電の設置若しくは検討したと回答する割合が高く、その他電力契約を変更した顧客では低く、設備投資行動に対する電力変更毎の相違がみられた。今後、変更した電力会社のタイプの相違による設備投資行動に影響する要因の違いなど検証していく。
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