2020 Fiscal Year Research-status Report
世界環境産業連関表を用いた構造的類似性の抽出に基づく二酸化炭素排出構造の特定
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19K23197
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
白新田 佳代子 福岡女子大学, 国際文理学部, 講師 (60845197)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 産業構造の類似性 / 消費構造 / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界各国における産業構造や消費構造などの複合的な経済構造の変化を考慮した枠組みを検討するため、世界各国の構造変化に関する類似性の評価を行い、構造的類似性が考慮されたグループの推定を行い、推定されたグループを基にグループ内・間の排出量を定量的に分析し考察を行うことで、排出移転などの世界の排出責任論について包括的に議論し国際的な二酸化炭素削減枠組みの提案を行うことを目的とする。 本年度は世界産業連関表(WIOD)、IEAよりエネルギー収支表とエネルギー価格のデータについて研究分析が行えるようにデータ整備の精緻化を図り、整備したデータを用いて、検討予定の3つの経済構造(生産構造・消費構造・排出構造)のうち消費構造の類似性の分析を行った。消費構造は各国の最終需要の構造に着目し、その類似性を求め、クラスタリング分析によるグルーピングを行ったが、新型コロナウイルスの影響に伴う予期せぬ学内業務の増加により、学会での研究報告などは行うことが出来なかった。 前年度の成果である生産構造の分析の結果については英語論文の執筆が進んでおり、海外雑誌への投稿に向けて準備をおこなった。本年度は上記の影響に加え、参加を予定していた学会が中止になったり、オンライン開催となったものの都合が合わず学会参加を断念したため、研究成果を学会で報告できなかったが、来年度に学会で広く成果を報告し、論文として取りまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、大学業務の対応研究に大幅な遅れが生じた。また、前年度に引き続き研究成果について、学会報告や論文発表が行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画変更に伴い、補助事業期間の延長を希望し、最終年度を延長する運びとなった。最終年度では、まず、本年度の研究成果を論文としてまとめ、学会発表を通じて広く成果を報告することでフィードバックを得て今後の研究に活用する。現在検討している経済構造のうち生産構造と消費構造の分析が完了しているので、排出構造の分析を進めていく。さらに、これまでの研究成果に関して論文を複数本執筆し、国際雑誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、研究計画を遂行することが難しかった。本年度学会の参加が難しく、発生しなかった旅費が存在する。また、英語論文の校正費を計上していたが本年度に間に合わなかったため未使用の部分が存在する。次年度についても、学会が実施されるのか不透明であるが、学会に積極的に参加し広く研究成果を報告するための旅費と本年度の研究成果をとりまとめた英語論文の校正費に使用する。
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