2019 Fiscal Year Research-status Report
金利期間構造の統計分析に基づく金利リスクのヘッジ手法の研究
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19K23203
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
劉 念麟 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 助教 (90610923)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 金利の期間構造 / Fourier級数法 / リスク管理 / 確率過程 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
金利リスクの管理は、通常スポットレートに対する主成分分析に基づいており、そこでは大きな次元減少が観測される。しかし、この結果が安定ではないことを研究代表者のこれまでの研究で指摘してきた。本研究は、これが普遍的に観測されることなのかどうかをさらに精緻に調べることを一つの目的とする。そして、この現象を説明するリスク管理手法を提案することがもう一つの目的である。 本年度は、特にMalliavin-MancinoによるFourier級数法を改良したものを用いて、金利データによる実証研究を行うことを考えた。それに関して、実証研究を行う前に数学的理論な結果を得ることを重要視しているため、改良したMalliavin-MancinoによるFourier級数法に関する中心極限定理の証明に取り組んだ。結果として、一様収束の証明結果を得たが、一番困難なのは確率過程としての収束条件を確かめることである。その問題を解決するため、赤堀次郎教授(立命館大学)とMaria Elvira Mancino教授(University of Florence)と共にL^2収束に着眼し、研究を進めたいと考えている。 そして、主成分分析を用いた従来の解析手法において、フォワードレートに対する次元減少が観測されないことが普遍的なのかどうかを検証するため、蓄積データの購入を手配した。 また、リスク管理手法を提案するため、リスク鋭感型確率制御について着眼し、畑教授(一橋大学)と安田准教授(法政大学)とHull-White 確率ボラティリティモデルを用いたフォワードスターティングオプションの価格について研究を行った。結果として、条件付き期待値を用いて計算した式における数値計算は、標準的なモンテカルロとオイラー・丸山を用いた方法よりオプション価格を早く求めることが可能となった。この研究については数値計算をさらに追加し、再投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
極限定理の証明が遅れているが、中間結果を海外で開催される会議およびセミナーで発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の計画に沿って研究を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: 新型コロナウィルスの影響で、本年度に計画されていたUniversity of Florenceへの訪問および研究交流が延期されたことや、参加する予定であった国際会議の開催が中止されたため。 使用計画: 図書や、数値計算のためのパソコンを購入する。
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