2019 Fiscal Year Research-status Report
空港と航空会社の関係に着目した経営効率性評価に関する研究
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19K23208
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
安達 晃史 同志社大学, 商学部, 助教 (30844534)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 空港 / LCC / 効率性 / 確率的フロンティア分析(SFA) / 包絡分析法(DEA) |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,空港の経営実態を把握するためにインタビューを行った。その後,空港の経営効率性と航空会社の競争環境との関係について定量分析を進めてきた。 まず,2019年10月から12月にかけて,函館空港および北九州空港において空港運営に関するインタビューを実施した。主にLCC誘致・空港と航空会社の関係・空港ビルのテナント契約などについて説明を受け,国管理空港における経営の実態を把握することができた。 2019年12月には日本交通学会関西部会において「本邦LCC参入前後における空港の生産性・効率性変化について」という論題の研究報告を行なった。本邦LCC参入前後において国管理空港19空港を対象としてDEAを用いた効率性分析およびMalmquist生産性指数を用いた生産性分析を実施し,本邦LCCの参入と空港の効率性・生産性との関係について考察を行なっている。この報告におけるディスカッションを踏まえた上で,LCCのシェア拡大が空港の技術的効率性に与える影響を測るために,要因分析を加えた内容を学術論文としてまとめて投稿し,現在査読コメントへの対応を行なっている。 さらに,LCCの市場シェア・路線ネットワーク・航空会社の集中度などといった航空旅客市場の環境と空港パフォーマンスの関係についてSFAによる分析を試みており,この結果を2020年7月に国際学会ATRS(Air Transport Research Society)での報告する予定であった。しかし,新型コロナウイルスの影響により学会は来年に延期となってしまったため,2020年度内に国際雑誌に投稿をするべく準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗は概ね順調であったが,計画していた空港へのインタビューやアンケート調査は新型コロナウイルスの影響を受けて一時中断している。状況を勘案しつつ,早ければ2020年の夏以降に調査を再開したいと考えている。 分析についてはほぼ計画通り進んでいる。分析結果をまとめ終えた後,夏までには国際雑誌への投稿を進める計画で準備を進めている。 また,2020年7月に発表予定であった国際学会(ATRS)も中止となってしまったため,成果を報告する機会として海外ジャーナルへの投稿など代替手段の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により空港への対面インタビューが難しいため,Webおよび郵送方式によるアンケート調査を実施するなど,対面インタビュー以外の調査方法を模索しながら空港の現場に関する調査を行う予定で準備を進めている。夏までに2020年8月を目処に調査を完了し,その結果を学術論文として報告する予定である。 定量分析については,計画通り進んでおり,2020年夏をめどに,航空旅客市場の環境と空港パフォーマンスの関係についての分析結果を海外ジャーナルに投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度末(2020年1月から3月)にかけて実施予定だった空港インタビューおよび研究報告会が,新型コロナウイルスの影響で軒並み中止となり,旅費の使用額が予定を大きく下回った。 中止となった空港インタビューを2020年度に改めて実施するため,次年度使用額が発生している。
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