2020 Fiscal Year Research-status Report
空港と航空会社の関係に着目した経営効率性評価に関する研究
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19K23208
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
安達 晃史 同志社大学, 商学部, 助教 (30844534)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 空港 / LCC / 効率性 / 確率的フロンティア分析(SFA) / 包絡分析法(DEA) |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度に投稿した安達(2021)が国内査読雑誌『運輸政策研究』に掲載された。本論文では,わが国の空港とLCCやインバウンドとの関係について定量的に分析する初めての試みとして,2010年度から16年度における国管理空港の航空系事業と空港全体の活動に関する効率性・生産性分析を行っている。DEAおよびMalmquist生産性指数を用いた生産性分析では,2012年以降,空港全体の生産性が2.65%の平均成長率で成長していることが示され,二重ブートストラップ法を用いた効率性に関する要因分析では,国内線LCCのシェア拡大が効率性を高めていることが明らかとなった。本論文の内容については,日本交通政策研究会「地域・都市の総合交通政策」プロジェクト研究会において報告を行った。 前年度に予定していた国際学会ATRS(Air Transport Research Society)における報告については,2021年度に改めて報告することとし,現在も継続して,航空旅客市場の環境(LCCの市場シェア・路線ネットワーク・航空会社の集中度など)と空港パフォーマンスの関係についてSFAによる定量分析を進めている。
・安達晃史 (2021)「本邦 LCC の参入は空港の効率性を高めたのか?-包絡分析法を用いた効率性・生産性評価」 運輸政策研究, TPSR_23R_05.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中に,航空旅客市場の環境(LCCの市場シェア・路線ネットワーク・航空会社の集中度など)と空港パフォーマンスの関係についての分析結果をアウトプットする予定であったが,国際学会のみならず,様々な研究会も中止・延期が相次ぎ,他の研究者と十分にディスカッションする時間を確保できなかったため,学会報告・論文による報告まで至っていない。したがって,次年度に延期し,確実に成果をアウトプットできるよう準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により空港への対面インタビューが難しいため,Webおよび郵送方式によるアンケート調査を実施するなど,対面インタビュー以外の調査方法を模索しながら空港の現場に関する調査を行う予定で準備を進めている。本年度中の調査に至らなかったため,次年度に延期し,2021年度中に調査を実施する予定である。 定量分析については,計画を若干変更している。2021年夏に,航空旅客市場の環境と空港パフォーマンスの関係についての分析結果を国際学会で発表し,その後海外ジャーナルに投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,研究の遂行に遅延が発生していることにより,当初の計画通りに予算執行ができず,次年度使用額が発生した。 次年度使用額は,延期となった国際学会の参加及び追加の分析に必要なデータの購入等に使用する予定である。
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